元企画小説



企画小説として書いていたものでしたが、企画主が企画を進められなくなったようなので、こちらで再公開することにしました。






RYTHEM『万華鏡キラキラ』




私の初めて買ったCDは、RYTHEMのデビューシングルの『ハルモニア』

そして、初めて買ったアーティストのアルバムも𝟭𝘀𝘁アルバム『ウタタネ』

『万華鏡キラキラ』を初めて聴いたのも、『ウタタネ』でした。


カラオケで友達とRYTHEMをハモり、友達も家族もみんな、私がRYTHEMを好きなことを知っているくらいのRYTHEMっ子な私。

そんな私の、高校2年生の誕生日のことでした。


「お誕生日おめでとう!!」

そうお祝いしてくれた友達の星ちゃんが、なんとRYTHEMの曲に関するものを集めてプレゼントしてくれたのです。

子猫と楽譜の筆箱に、青い小鳥や遊園地のシール、トマトのマグネットなど、どれもこれもRYTHEMの歌詞にあるもので大興奮な私。

その中に、万華鏡キラキラの楽譜がありました。


子供の頃からピアノを習っていた私は、高校に入ってから書店で楽譜を探し回っていましたが、主題歌などの数曲はあるものの、なかなか見つからず。

ウタタネの楽譜も出ていたようなのですが、知った時には既に絶版でした。

星ちゃんも私が楽譜を欲しがっていたことを知っていて、万華鏡キラキラの楽譜をプレゼントしてくれたのです。

「ありがとう、星ちゃん。すごくすごく嬉しい!!」

伴奏のみのその楽譜で、たくさん練習して、たくさん弾き語りをしていました。


別の友達で、中学の頃に吹奏楽部でフルートを吹いていたという、のんちゃんという子もいて、この伴奏に彼女のフルートのメロディを乗せたい!と思った私は、のんちゃんに歌のメロディの楽譜を作り、一緒に合奏したいとお願いしました。

のんちゃんは快く引き受けてくれて、フルートとピアノで合奏した『万華鏡キラキラ』の感動は、今でも忘れられません。


時が経ち、解散の生配信のあった日。

私は崩れ落ちるように泣いていました。

次の日の学校でも涙を止めることができないほどにショックを受けていて、星ちゃんも心配してくれていました。

彼女たちは、『RYTHEMが壊れてしまう前に』と丁寧に説明もしてくれていたので、心の中では納得していたのですが、寂しくなる気持ちはどうしても受け入れられなかったのです。

私もRYTHEMを守りたい、大好きな二人の気持ちを守りたいから受け入れる。

たくさんの人に心配をかけてしまったけれど、私も前を向いて歩くことを決めました。

こころに穴が空いたような感覚でも、それでも。


解散前のアルバムも何度も聴いて、さよならじゃないという言葉を信じて10年。

2021年5月21日のあの日から、再始動したRYTHEMの曲を毎週楽しみながら、今も幸せを噛みしめています。

再始動のライブ配信からずっと、私は毎週涙を流して喜んでいて、止まっていた歯車が再び動きだしたようでした。


再び二人揃ったRYTHEMが毎週歌を贈ってくれて、金曜日を楽しみに待つことが当たり前になっていることが嬉しい。

呟けばすぐいいねをつけてくれて、月一の生配信ではリアルタイムでコメント出来ることが嬉しい。

そしてなにより、二人が並んで楽しそうに歌う姿を再び見られるようになったことが、何より嬉しい。


RYTHEMの二人に出会って、

歌の楽しさを知りました。

切なさを知りました。

愛を知りました。


言葉朽ちても、これからもきっと私たちがRYTHEMを愛する気持ちは朽ちることはないでしょう。

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