第10話
街におりると、至る所で様々な露店が開かれておりとても賑わっていた。
「とりあえず屋敷に必要なものを買い揃えようと思う。アニコとレーカは、アニコの顔見知りの農家に行って野菜やフルーツの種や苗を買って来て欲しい。この収納バッグと畑の見取り図を渡しておくので適当に決めてくれ。アンナとミハイは私と一緒に馬車と馬や家畜を選ぶ。今から2時間後にこの街の入り口で待ち合わせで良いか?」
「はい、ここから実家の農村まで片道30分ほどなので大丈夫だと思います」
「畑にかける予算はどれくらいですか?」
「とりあえず金貨1枚渡しておこう。足りなかったらあとで私が追加で買いに行くよ」
「ありがとうございます」
アニコとレーカと別れて、アンナとミハイと共に馬車が売っている商店へ行く。
「こんにちは。6人乗りのサスペンション付きの馬車はありますか?」
「いらっしゃいませ。6人乗りでサスペンション付きでしたら、金貨3枚でこちらの新中古品がオススメです。王国貴族の方が様々な商店で馬車を作らせてその中から早くできたものを選んで買い取られたので、未使用のものです。製作費は既に頂いている商品なので中古品の値段で売っております」
「ではそれを。近くで良い馬を手に入れることは可能ですか?」
「それなら2軒隣の馬屋ならこの馬車を引けるくらい立派なやつがいると思いますよ。紹介状もつけておきましょう」
「それは助かります。馬を決めたあと馬車を引き取りにくるので大丈夫でしょうか?」
金貨3枚を出しつつ店主に尋ねてみる。
「はい、確かに受け取りました。こちらが領収証です。馬車の受け取りの件ですが、大丈夫ですよ。その間にしっかり調整もしておきますので、すぐに使用できますよ」
「それではよろしくお願いします」
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