第4話
食事を終えると、全員の顔から不安そうな表情が消えていた。
「それじゃあ今日から一緒に住むわけだし、お互いに自己紹介しようか。改めて、ドラキュラ伯爵です。知っての通り種族はドラキュラなので、血液摂取も必要だけど、普段は皆さんと変わらない食事をとります。血液を集めるために月に一回採血をしたいと考えています。採血は任意で大丈夫です。採血に協力してもらった場合のメリットとしては、健康状態のチェックができるとか、その日の仕事は免除とかですかね…?皆さんの仕事としてとりあえず思いつくのは、畑や家畜の管理や掃除、料理、街への買い付けです。何か疑問があればいつでも聞いてください。それじゃあ隣のあなたから自己紹介お願いします」
とりあえず言いたいことは言えたかな?
仕事とか何が必要かすらまだ把握できていないからね…
「はい。私は城下出身のアンナです。今年で25歳になります。8歳になった息子のミハイと共にこちらに来ました。2年前に旦那を亡くしてからその日暮らしだったので、このように温かい食事を満足に食べさせてもらえて本当に感謝しています。家畜の世話は城下でやっていたので得意だと思います。どんな仕事でも、誠心誠意働きますので、息子共々どうぞよろしくお願いします」
「ミハイです。馬の世話が得意です。よろしく…」
「私は、城下出身のレーカです。今年で26になります。5年前に旦那と死別していて、それ以降は代官様のお屋敷で下働きとして働いていて、買い付けや掃除をしていました。私もどんな仕事でも一生懸命やるので、よろしくお願いします」
「私は城下の外れにある農村出身のアニコです。今年で28です。元旦那と結婚するまでは、実家の農業を手伝っていたので畑の管理が1番得意です。野菜の苗や種は実家から安く譲ってもらえると思います。家事もひと通りやれます。よろしくお願いします」
全員の自己紹介を聞いてみて、それぞれの得意分野で仕事が割り振れそうで安心する。代官もその辺を考慮してくれたのかもしれない。
「アンナ、ミハイ、レーカ、アニコ、これからよろしく。長い付き合いになると思うから、口調は元に戻させてもらうよ。とりあえずそれぞれの得意分野の仕事を割り振ろうと思う…と言っても、まだ家畜もいないし、畑も用意できてないから、まずはそれらの用意からかな。とりあえず、今日は各々自分の部屋を片付けて貰って、明日は皆で買い出しに行こうか。何か質問はあるか?」
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