第3話
城の裏側は、鬱蒼とした森となっていた。
入り口からは街に向かって道が伸びている。
ここから街までは歩いて30分といったところだろうか?見た感じ意外と近そうだ。
敷地の中には荒れ果ててはいるが、畑があった形跡もあり、頑張ればここで自給自足も可能そうだ。
城壁に登ると、城下の街や裏の森を見渡せた。
「ん?街の方から馬車が来てるな。うちに何か用があるのか?とりあえず敵意がないのであれば情報を貰うためにも入ってもらうか…」
10分ほど待っているうちに、馬車は門の前までたどり着いた。
「お初にお目にかかります。私は城下街の代官からの使いの者です。ドラキュラ伯爵様が目覚めたことを感知致しましたので、規約の通りに人手を連れて参りました。同意の上なので、こちらで好きに扱ってもらって構いません」
「私がドラキュラ伯爵です。まだ目覚めたばかりであまり把握できていないが、人手を貰えるのはありがたいので、受け取らせてもらいます。彼女らをこちらへお願いします」
引き渡されたのは3人の女性と1人の少年だった。
3人とも未亡人であり、そのうち1人の女性が子持ちだそうだ。
「確かに4人受け取りました。とりあえず当分の人手は足りそうです。もし街で困窮して苦しんでいる人がいれば、ドラキュラ伯爵がいつでも受け入れると代官に伝えてください」
使者が帰ったところで、4人の客人と向き合う。
「初めまして。ドラキュラ伯爵です。とりあえず城に入りましょうか」
4人を連れて城へ戻る。先程から聞こえてないふりをしていたが、4人ともお腹を鳴らしているし、身体の肉付きも悪く、栄養が全く足りていなさそうだ。
「ここがダイニングルームです。あり合わせで作ったものだけれど、よければどうぞ食べてください」
そう言って先程作ったスープとガーリックパンを急いで温め直して出す。
「えっと、これ…食べていいのですか?」
恐る恐ると言ったように1人の女性が聞いてくる。他の人たちも困惑しているようだ。
「はい、どうぞ。まずはお腹を膨らしてから、色々と話しましょう!」
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