番外編 騒ぎの原因は体質にあり。
風呂上がりの
「う〜ん、ひ、引っ張り出せない。足が滑る」
うなされるという事は悪夢に違いないのだが一体何が引っ張り出せないというのだろう?
「も、もう少し、が、頑張れ、破れた、パンツは、諦めろ」
いや、本当にどんな夢を見ているのだろう?
「もう少し、もう少しだから、が、がんばれ!」
直後、
「え?」
「ぐすっ」
起き抜けに呆然とした
(お、俺は一体? 確か、風呂で・・・あっ!)
倒れる直前の出来事を思い出す。
それはフラついて
(というか、この妙な既視感は何なんだ? 唇に当たった感触といい、直前で見た夢といい)
そこには大変可愛らしい女の子が居た。
妹の
悪夢は親戚の子供等と遊んでいる最中の事。
女の子は身内の子供等から近所のため池に落とされて、危うく溺れてしまうところだった。
ため池の周囲には実父に良く似た小柄の男も居て、気持ち悪い顔で笑っていた。さっさと死んで生命保険とかなんとか発しながら。
それを見た
最後は勢い余って口づけを交わしてしまい、
(い、一体、過去に何があったっていうんだ)
そこで
(忘れていた何かだという事は分かる。だが)
呆然と見上げる
「何を泣いてるんだ。可愛い顔が台無しだろ」
その言葉は不意に出た言葉。
「お、思い出してくれたんですね・・・」
「は、はい?」
思い出すも何も、女の子だけを思い出しただけで、それが
「と、ところで、ここは?」
「ぐすっ。あ、女子寮のリビングです」
「お、俺の服は?」
「私が着せたと言いたいところですが、
「そ、そうか。まぁいいか、
今更、妹に見られたところで恥ずかしい気持ちなど無かった
だが、ここで
「も、もしかして、膝枕か?」
「もしかしなくても膝枕です」
「わ、悪い、重かっただろ」
しかし、
「もう少し横になっていて下さい。お風呂で倒れてからまだ数分しか経っていませんから」
「うわぁ!?」
「きゃっ!」
「は、は、はだ、裸? はだ・・・」
「え? あ、
目が点になって、鼻血を垂らし、またも気絶した
そう、まだ数分しか経っていないのだ。
バスタオル一枚でリビングに向かい
すると外で様子見していた
「お兄ちゃん!?
「悩殺なんてしてないわよ!!」
「悩殺しているから、女の子に免疫の無いお兄ちゃんがぶっ倒れているんでしょ?」
「うっ」
「はいはい、痴女は出ていった、出ていった、ここからは私が面倒を見るから!」
「ちょ、ちょっと!?」
その日の
「あれは、思い出してくれたんですよね?」
ボソボソと呟けど答えは返って来なかった。
リビングに残った
「いい加減、自分がラッスケ誘発者だって気づいて欲しいよね。結婚を約束したのもパンツが脱げて、全て見てしまったお兄ちゃんから言い出した事だけどさ。とはいえ、何のために
端で佇む、苦笑中の
「お、檻って酷いよぉ」
「でも、本当の事ですよね」
「そ、それは言い返せない」
「ラッスケ誘発者が二人揃うと何かが起きるって母さんが怯えたほどだからね?」
「ごめんなさい」
§
《あとがき》
可能なら続編も書きます。
その時は練り直してからになるかもだけど。
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