友だちの友だち
バブみ道日丿宮組
お題:小説家の結末 制限時間:15分
友だちの友だち
昔小説家になるといってた友だちがいた。
『本を読むのが好きだから、自分の作った世界を見てもらいたい。そしてまた自分のように小説家になりたいってこたちを増やしたい』
そんなことを誇らしげに話してきた。
夢を叶えるというのは案外簡単なようで、友だちは高校生でデビューが決まった。
容姿もいいため、アイドルのようにインタビューを受けてたりもした。それも1つの売りかもしれない。小説の出来はといえば、賛否両論というか、だいぶ低評価だった。
1巻の売り上げは人気通販のランキングに乗るほどのものであり、続きを期待されてた。
当然、友だちは頑張って書いた。
が、2巻以降斜め下に売り上げは落ち、話題性もなくなった。5巻で打ち切りが決定し、友だちはただのアイドルになった。
見栄えがいいのってずるいよね。
でも、隣で寝てるんだって思えば、少しは自分も誇っていいかもしれない。寝顔はとても可愛い。うっすらと見える胸元も非常にセクシーで、乳首もきれいな桃色。AVだとこれが黒くなったりしてるけど、実際のところどうなのだろうか。
友だち以外の裸を見たことがないので、はっきりとしない。いっそのこと、友だちに聞いてみるのはどうだろうか。嫌われるだろうか。いつかそういう話もするかもしれない。
友だちのていは、あくまでもオフを僕と過ごしてるだけで、表立っては相手がいないという感じになってる。
週刊誌に掲載されることはあっても、ただの幼馴染、友だちです、とコメントしてる。
僕の身辺調査がされたりもしたが、ただの社会人に一般人が興味を持つことはない。妬んだオタクがやってきたこともあるが、警察の介入により、無事にすんだ。
いつまでもこんな関係を続けられるわけじゃない。当然その先も考える必要がある。
でも、友だちは小説家。物語を望んでる。
その物語を僕は作れないし、語れない。
いつこの顔が傷つくのか恐怖でしかない。
友だちから渡された新作という物語は、僕に酷似してた。
ただの一般人が、大物アイドルと恋愛するというラブコメディ。
内容は至ってシンプルで、正直言って見どころがない。
それを口にしていうのは、明日。
友だちはどんな顔をするだろうか。
泣いたり、怒ったり、笑ったりするのだろうか。
僕が破壊してしまってもいいのだろうか。
答えはでない。でるまえに僕は眠ってしまった。
友だちの友だち バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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