蝕む
「僕の命に変えてでも、君を守ってみせるから……」
ある日君は心を病んで、学校に来なくなってしまった。
君のいない学校生活なんてつまらないよ。
君はいつだって笑顔で、眩しくて、僕にとっては欠かせない存在だったんだ。
それなのに、もう会えないだなんて。
話によれば、いじめを受けていたらしい。君の心を蝕むような存在が居るのなら、きっと僕が懲らしめてやるさ。
そう思っていたのに、どうして、どうしてなんだい?
二ヶ月の月日が流れて、担任は僕らにこう言った。
「親の都合で転校することになったらしい」
そんな、聞いていないよ。僕はきっと君がクラスに帰ってきてくれるんだって信じていたんだ。だから毎日欠かさず手紙を書いた。君を励ますために、毎日毎日、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと。
ある日君が隣町の高校生と歩いているところを見かけたよ。彼と君は小学生の頃から知り合いだったらしいね。だからってダメだよ、僕意外と一緒に居るなんて。
え? その男が行方不明になった? ふーん、そうらしいね。
ある日、僕は耐えかねて君に会いに行った。君は恐怖を顔にして、こう言ったよね。
「消えて、顔も見たくない! お願い居なくなって! 私をいじめた上で、ストーカーまでして、何考えてるの!」
違う、違うよ。君を狙っているのは僕じゃない。
そう言っても信じてくれないよね。
あれは僕の双子の弟なのに。
……なんて嘘、信じてくれないよね。
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