しょの42「Hな本に」ついて②

前回のお話で。

遠く離れたバイパスに。

往復10キロ、チャリを飛ばして。

エロ本買いに行く、お話しました。


当時は。

エロ本買うのも一苦労。


自販機といえども。

煌々と灯りをともす前を。

パジャマにトレンチコートの妖しい高校生。


ゴトンと本がでるまで。

辺りをキョロキョロ。


自販機でさえ、こうだから。

本屋なんかでは、買えましぇん!


しかも、ああた。(江戸っ子だ)

700円のエロ本(オヤジの部屋に移りました)でさえ。


オバサンみたいな。

詐欺寸前の内容。


どれだけ、お小遣いを無駄にしたか。

思い返せば、オヤジに出させれば良かったのか?


でも、ある日。

スーパーで「神本」を発見したのです。


日曜の午後。

午前のバスケ部の練習も終わり。


大好きなマンガを「コーラとポテチ」で。

週に一度の、至福の時間。


貯めた小遣い千円札を握りしめて。

近所のスーパーに買いにいきました。


何気に書籍コーナーをみていたら。

「映画の友」と名のつく雑誌。


綺麗な女の人の表紙。

でも、見たことのない芸能人。


フンフンと本を開いたら。

おいおいおい・・・?


「何じゃ、こりゃぁ・・・!」

思わず松田優作になって叫びました。(小声で)


ところで、皆様は。

「日活ポルノ映画」を御存知でしょうか。


アダルトビデオ等、無い時代。

場末の映画館で上映していました。


でも、高校二年生では入れません。

薄ボケたピンク色の看板を、羨望の眼差しで。


深夜番組でさえ、親の目を盗んで観る時代。

そんな憧れの「日活ロマンポルノ」。


ポルノ!(死語)

ロマンポルノ!(やっぱり死語)


当時、少年達は。

「日活」という単語を聞くだけで。


「ピー(≧o≦)」が、充血しました。


そ、それが何と!

「映画の友」はその機関紙だったのです。


進少年が何気に開いたページには。

深夜番組で一瞬でしか流れない映像が。


てんこ盛り!


おいおいおい・・・。

進少年、あたりをキョロキョロ。


ゴクリと。

喉が鳴りました。


おっとぉ・・・。

値段は?


何と。

580円!


り、良心的だぁ。

しかも、エロマンガ付きだぁ!


買える!

買えるぞぉっ・・・ぞぉっ・・・ぞぉっ・・・。


再び、進少年。

辺りをキョロキョロ。


幸い、誰もいない。

近所には同級生の女子もいない筈。


では、レジは?

オッサンだぁ!


いつものパートのおばさんではない。

店長らしき年配の男性。


今日はポテチもコーラも無し!

と、言いたいところだが。


さすがに単独でエロ本は。

素早く計算して、かさばるお菓子を。


オッサンがレジ打ち(今のようにピッではない)している間。

腕時計の時刻を合わせるふりして。


何とか、ミッション遂行!


「ダァッー。」

と、叫びながら帰宅。(マジで興奮してました)


本棚の隙間に隠して。

何気に夕食。(味、しない)


真夜中、こっそりと。

堪能しました。(涙)


※※※※※※※※※※※※※※※


でも、神本がスーパーで売っているのはマレで。

しかも、レジ打っているオバサン相手に買う勇気はなし。


何だかんだで、あの頃は。

エロ本買うのも一苦労。


五段変速に乗って。

10キロ離れた隣町の商店街まで。


古びた本屋。

「知新堂」などとインテリっぽい店名。

でも中身はマンガとエロ本。


そしてレジ、店番はオッサン。

波平さんソックリの。

しかも不愛想。


進少年にとって。

天国のような、お店でした。


しかし、その日は。

10キロ、チャリ飛ばしたのに。


店番が綺麗な女の人。

嫁か、娘か。


オー、ジーザス!

商店街を30分もうろついたのに。


交代なし。

波平!


いい加減にしろ!


泣く泣く引き返す、気の弱い進少年。

しかし、一縷の望みで。

途中の駅前の本屋へ。


レジは?

オッサンだぁ!


雑誌コーナーには?

あったぁ!


ゴクリと。

喉が鳴りました。


いざ、レジへ。

その時だった。(やはり要潤で)


肩を叩かれた。

先輩が笑っている。


しかも、二人。

クラブは違うが、何故か可愛がられていました。


「進藤くぅん・・・?」

「何かなぁ・・・この本?」


知ってるくせに。

僕を、いじります。


はずかちぃ!(≧O≦)

でも、買いました。(^o^)


その後、何か月も

いじられまくりました。


「映画の友」の進藤君と。

何度、人前(JK含む)で呼ばれたことか。


だけど・・・。

先輩の下宿に遊びにいったら。


バックナンバー2年分の・・・。

「映画の友」がありました。


「映画の友」は。

神(かみ)本です・・・。(^o^)


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