そして、再開。吠える青年将校と、対峙する老紳士。

第388話 いよいよ、再開されました。

https://kakuyomu.jp/works/16817330664565978826/episodes/16817330664760104089

↑ 第4話 無能を無能と指弾する、むなしさ


・・・ ・・・ ・・・・・・・


今生:賀来博史氏の弁

 あいつ、もとい、米河清治君は、ついに吠えられましたな。

 時間の問題ではありましたが、ようやく吠えてくれました。

 私は、彼がその咆哮を、いつどこで、誰に対して向けるだろうかと思っておりましたが、さすがの彼、その総元締ともいうべき相手に、堂々とやってくれました。

 これは、内容の是非の問題ではありません。

 これこそが、彼の熱情を余すところなく示す弁というものです。個人的には、そんな内容ではなく、もっと大きなところでやれたら、あいつも私なんかよりはるかに大物になれるのになと、そこがいささか惜しい気がしてなりませんね。


来世:東航元よつ葉園長の弁

 米河君、吠えてくれよりましたな。

 彼の幼少期を見ている私からしてみれば、ある程度、予想通りです。

 彼が向けてくるその矛先の中心人物の一人が私であることも、十分、予測がついておりました。確かに、賀来博史さんの指摘される「熱情」ですか、彼がそこまでの熱情を持ってこれだけの弁を述べ切るような人物になることも、私自身は、ある程度予想はついておりました。

 若い頃の大槻君よりも、彼のほうが、言うなら被害者的な立ち位置からのものであるだけに、私にとっては、きついですし、正直、辛いところはありますな。

 

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