18,救出は成功?失敗?

 グレイスはうまくやってくれた。グレイスの方に近づくか、我々が見えない棚を

しゃがんで探すかしている。

パチッ

グレイスは、誰にも気づかれないようにウインクをくれた。


いつの日からか、Dracula・Cafeの経営を始めてから30年。そして、マスターに

なってからは約5年。それほどの歳月をかけていたのか。ずいぶん長い間立った気が

する。それまでの間に私は平和な日々を過ごしてきた。一体なぜに、このような

飲食店戦争をしなければいけなくなってしまったのだろう?


「君たち、これからどこに行くんだ!!」

早速、1人目の敵が現れた。

「マスター、お願い!!」

クリスティーヌの掛け声で、私は相手の顔面にスープを打った。

「うわぁぁぁぁ!!!!熱い!!!!」

熱いだけじゃないのに。そのまま、1人目は簡単に倒した。


「お前たち。何でこんなところに来た。まさか・・・・・」

それを言い終わる前に、クリスティーヌとリュークの同時攻撃で仕留めた。

それから、3人目、4人目、5人目と順番に倒していった。訓練を受けたと聞いたが

それは本当だろうか??こっちも戦闘未経験なのに圧倒的に強い。

「君たち・・・・・私の仲間を知らなかったか??」

「知らねぇよ!!!!」

男の大事なところにジェイムソンは爆弾を投げた。

「いてぇ!!!!」

普通なら、ここにスープを加えて仕留めるのに。それをする前に倒してしまった。


 寒い・・・・・冷たい・・・・・喉乾いた・・・・・お腹空いた・・・・・

意識はだんだん朦朧としている。ココに閉じ込められて何日が経ったのだろうか。

この暗くて寒い部屋。布団とちゃぶ台しかないところだ。私はそこでしばらく

暮らした。食べ物はもらえるが、パン1枚とかくらいだ。毛布が一枚あるので

それにくるまるしか、寒さを防ぐ手は無かった。

「もうダメ・・・・・マスター無事かな・・・・・みんなは・・・・・」

最期の言葉のつもりで呟いた。七色の光が向こうに見える。走馬灯だ。

「あ・・・・・・・」


「大丈夫か!!!!」

これは。リュークの声?

「もうすぐ開けるから!!もう少しの辛抱だ!!」

ジェイムソン・・・・・・・。

「私はもう蘇ったから心配するな」

マスター?

「ごめん、シャーロット。私のせいで・・・・・」

クリスティーヌの泣き声が聞こえる。天国からお葬式を見ているのだろうか。

私はもう死んでしまったのだろうか・・・・・?


ガチャッ!!カチカチ・・・・・ガチャ・・・・・

「結構うまいこと出来てるね。でも、僕にかかればそんなもん、どうとでもない!」

知らないおじさんの声が聞こえた。

パチッ

目を開けると、そこはまだ鉄柵が連なる檻の中だった。しかし。目の前には

見慣れた仲間が笑みと涙を浮かべて待っていた。

「これって、夢じゃないよね・・・・・」

「夢じゃないよ。ひっぱたいてあげようか??」

「怖いこと言うよね・・・クリスティーヌ」

現実だ!!

ガチャッ!!

「「「「「開いた!!!!」」」」」

マスター、リューク、ジェイム、おじさん、そしてシャーロットが同時に言った。


「よし、出るぞ!!!!」

襲ってくる敵をペットボトルと液体で次々と倒していくみんな。

「僕は、ベン・ヴァン・キッドっていうんだ。いかにも怪盗とか泥棒みたいな

名前でしょ??」

コクコク

「そうか・・・・・」

予想外の答えだったのか、彼は頭を掻いた。

ワァァァァァァ

店員はみんな爆弾探しに夢中だ。猛ダッシュで走る私たちには気づかない。

予想したよりも短い時間で店を脱出できたようだ。

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