14,双方の“極秘作戦”

 我は今、奴らが何をしたかを確認した。どうやら、ラーメンの正体を見破った

ようだ。タネが分かればすぐに治療薬を作るだろう。

「作戦は、失敗でしょうか・・・・・??」

「アホ!!!!これは、はっきりといって陽動作戦だ」

「陽動作戦・・・・・??」

ベチン!!!!!!

ラーメン作り指導員の子墨ズーモゥ(以下、ズーモゥ)に我は𠮟りつけた。

「まずは、ここで陽動する時間を作るのだ」

「はあ」

後から全部言うのは面倒くさいので、作戦を書いたノートをズーモゥに渡した。


作戦の内容はこうだ。

まず、ニンニク、聖水を入れたラーメンを十字架の器に入れてマスターを狙って

出す。どれも、気づかないような仕掛けをしてある。例え、気づいてもいい。

どちらにしろ、治療薬に試行錯誤しなければならなくなる。


シャーロットが酒に弱いということはで見抜いている。

飛び切り美味いラーメンを出すのだ。ドラキュラは美味いものを食べると強い酒が

欲しくなる。シャーロットを人質にして有利な交渉をするのだ。


その間に陽動する準備だ。相手のスープは味の絶妙なバランスで有名だ。それは、

客を誘うため企業秘密だ。私たち以外には。それを極秘に入手して分析したので、

同じようなスープを作る。何をするかもう分かるな――?


そして、実際に行う目的というのは――

「あの、マークさん」

「ああ」

首持ちじじいはその場を出て行った。


 パタン

リュークはバイト4人を集めた。そして、机に地図を広げた。

「よし、今から治療薬について話し合う。化学に強いのいるか」

「はい」

名乗りを上げたのは――グレイスだ。

「グレイス?!大丈夫か?!無理するな」

「舐めてるの。これでも私、化学大学を卒業してるんだよ?」

「「「え~~~!!!!!」」」

「まあいい。それじゃあ、俺はグレイスのアシスタントになる」

リュークはそういった。


「次は、もう1つの作戦を始めるぞ!」

「「「おう!!!!」」」

リュークが緊張感を演出した。

「シャーロット救出作戦について話し合うぞ!!」

「了解」

そういうわけで、議論が始まった。

「まず、どうやって救い出そう?一応、場所はもう調べた。ここだ」


そこは、店の奥にある。何でそんなところがあるのかはまだ分からない。しっかり

とした警備が10人ほどいる。太く、丈夫な鉄格子で固められているので、

壊すことは不可能だ。



「ねえ、この中に泥棒の知り合いがいる人いない??」

「おいおい、冗談もほどほどにしろ。いるわけが・・・・・」

「いる」

言ったのはジェイムソンだ。

「その人呼んできて」

「何で」

「針金で鍵を開けれるでしょう」

「そうか!!!!」

ジェイムソン以外はみんな気付いていたのだが。


「たくさんの洗剤を混ぜた熱々スープをぶっかけるっていうのはどうだ?洗剤を

混ぜたらガスが出るからな」

言ったのは、ジェイムソンだ。

「いいじゃないか、お前もやるな」

みんな、納得したようだ。それを誰かに投げつけたら確実な効果を発揮するだろう。


「あとは、これだ」

「どれ」

「爆弾だよ」

「ええ!!」

「爆弾は爆弾でも、ペットボトルにドライアイスを詰めればいいよ」

グレイスが言うことにみんな引き寄せられた。グレイスが説明する。アイスに使う

ドライアイスをペットボトルに入れると破裂するらしいのだ。


というわけで、まず。ルイクルを治す。そして、できれば5人でそこに侵入する。

店員は顔を知らないグレイスとリュークがテーブルで気を引く。その間に侵入して、

針金でドアを開けるのだ。その間に襲ってくるやつはスープとドライアイスで応戦

する。双方の極秘作戦が始まった――

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