11,クリスティーヌ襲撃とシャーロット拘束

 シャーロットを連れて帰ろうともう一度店に戻る。

「どういたしましたか??何か忘れものでもありましたか??」

「いや・・・・・まだもう1人でてこないので・・・・・」

「分かりました、行ってらっしゃいませ」


まだ、シャーロットは眠っていた。おろされたまぶたはとても重そうだった。

「シャーロット!!行くよ!!起きて!!」

「起きなきゃダメ・・・・・?」

「そうだよ!」

「おんぶして・・・」

バタリ

もう一度寝た。


仕方ないからおぶって帰ることにしたが、2人も引きずって帰るなんて無理。

テレパシーを使えばいい?それは、選ばれた人が限られた時に使えるものだ。

私はまだ使えない。

「うぅぅ・・・・・重い!!!!」

てなわけでルイクルを先に送ることにした。前進して、1㎞ほどで事件は起こった。


「あとどれくらいだろう・・・・・?私はもう限界なんですけども・・・・・」

そうやって大きな独り言を呟きながら1歩1歩を踏ん張る。

「待てー!!!!」

「食い逃げ犯め!!」

何人かの若い男が追跡してくる。

「え?」

彼らはどんどん迫ってくる。彼らはラーメン屋のロゴが付いたエプロンを着ていた。

「ヤバい!!」

とっさに黒羽を広げて飛び出した。ルイクルを地面に伏せて―――


 ブルブルブルブルブルブルブルブル

「?!あ!テレパシーだ!!」

シャーロットは黒羽が震えるのをすぐさま感じ取って立ち上がった。

「っ・・・・・・・・・・」

目をつぶって神経を集中させる。

「シャーロット!!みんな、助けて!!店の店員に追われてる!!倒れたマスター

を置き去りにしちゃった・・・・・しかも、みんなコウモリだよ。店をちょっと東

に行ったところ。うちのカフェののぼりが立ってる辺り・・・・・。」

(クリスティーヌ?!店員に追われてるって?!)

アルコールはぶっ飛んだ。

「クリスティーヌ!待っててよ!!」


それから、警戒していったがそれらしい“敵”は現れなかった。

え――?いない――?まさか――?

そのまさかである。横にはのぼりが立っているのに、クリスティーヌはいない。

敵の姿も無い。で、隠れる場所は無いはずだ。

「クリスティーヌー!!いるのー?」

シーン

返事はない。

「クリスティーヌ!返事してーー!!」

シーン

「出てこ~い!!!!クリスティーヌ!!!!首持ちじじ~!!」

シーン

とはいかなかった。

「ジジジジジジジジジジ!!!!!!!!!」

「わ~!!!!出た~!!!!」

3匹のコウモリが私の顔に飛び出した。そのまま、私は気を失った――


スーン・・・・・スーン・・・・・

空気が壁に反響しているのだろうか?その音がずっとずっと耳に飛び込んでくる。

「はっ!!!!」

そうだ、クリスティーヌからメッセージがあった。それでのぼりにいくと、

コウモリが飛びかかってきたんだ――!

「ここ・・・・・どこだろう・・・・・?」

灰色の壁に鉄柵が連なるところ――牢だ――


しばらくすると、首持ちじじいがやってきた。

「シャーロット、お前のことは知っているぞ」

「首持ちじじい・・・・・早く出せ!!」

「荒いな、シャーロット。お前はこれから交渉の道具にさせてもらう――」

この瞬間に悟った。ラーメン店に拘束され、人質になってしまったという現実を――

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