第11話 このかけられた呪いを解くためにアジトに出撃を‼
「……まあいい。ともかく、
「くっ、この私が変態と
ダクネス、お前以外にどこに変態がいるよ?
(カズマ、お前も十分にな)
「我が配下のモンスターに立ち向かい、見事全滅させて、俺の場所に来れたらその呪いを解いてやろう。さあ、帰るぞ。ハイヨー、クロバー(黒馬)!」
首無しの馬なので『ヒヒーン』と鳴くこともなく、
変にカッコつけても兜のお前にはカブトムシの着ぐるみがお似合いだぞ。
****
「カズマ、今回は私のせいです」
めぐみんが俺の前を通りすぎ、一人で外のフィールドを進もうとする。
「待てよ、めぐみん。お前の魔法は雑魚に魔法を一発でもかましたら、そこでお仕舞いだろ。無駄な命は散らすなよ‼」
「無駄ではありません。魔力がなくても私には最後の手段の生命エネルギーが残されています」
「そんな漫画みたいな必殺技ができたら苦労しねーよ!!」
参ったな。
このロリッ娘、どこぞの熱血少年漫画に影響されすぎだな。
冗談抜きで十字クロスして、グランドキャ○オン? とか放ったら、こんな異世界のやわな地面なんて真っ二つに割れて、あっという間に星ごと滅びるぞ。
「いや、私も行かせてもらおう」
「ダクネス……お前まで」
「私のためにすまない。ちょっと悪ふざけが過ぎた。この呪いをめぐみんに解いてもらおうなど、騎士として申し分が立たない」
くそっ、めぐみんを野放しにしてダクネスに戦闘不能のめぐみん(気絶前提?)の棺桶を引きずらせたくもないし……。
「仕方ないな。俺も行くぜ」
俺は拳を固く握り、二人の前で決意をする。
「みんなで行けば怖くない。デュラハンの手先なんかボコボコにして、ダクネスの呪いも解いてやろうじゃないか」
「ああっ、二人ともありがとう」
俺たちは意気投合し、お互いの拳を合わせあった。
そうだよ。
こんな素晴らしいパーティーを俺は求めていたんだ。
『セイクリット・ブレイクスペル!』
そんな和気あいあいな団結の最中にダクネスの体から邪悪な魔力が消え、綺麗な虹の光がダクネスの身体中を包み込む。
その呪文の発動者のメイドアクア(バイトはどうした?)が真面目な顔つきでこちらに片手を向けていた。
「もう平気よ。ダクネス。これで呪いは消え去ったから!」
自信満々のアクアが目を輝かせながら、己の魔法の力をアピールする。
だから、お前、バイトはいいのかよ?
「この天使のアクア様の実力ならデュラハンがかけた呪いなんて一発で治せるわよ‼」
やる気満々だっためぐみんの目から黒目が消えた。
これはやべーな。
あまりのショックに戦意喪失か……。
「どうかしら? 私もアークプリーストらしいことするでしょう? ねっねっ、誉めて誉めちぎって♪」
予想外の出来事に酸欠の魚みたく、口をパクパクとさせるダクネス。
俺もめぐみんと同じく、半分くらい真面目な意識が遠ざかっていた。
お願いだから、アクア、ちぎるのは牛乳パンだけにしてくれ。
「あれ? みんな何で黙っているの? もしかして私のこの魔力に惚れ惚れした? これからはアクプリの女神、アクアお嬢様って呼びなさい。おっほっほっ!」
「下らんことを喋るのはこの口か?」
「おごごごごー!?」
俺は大口を開けて笑うアクプリの口に水魔法をぶちかましていたのだった……。
****
「ふふーん。まだ来ないのかなー♪」
長年熟成された赤ワインを片手に、優雅に鼻歌を歌うデュラハン。
それを遠巻きに見ていた配下のアンデッドの一人が竹ぼうきを動かす手を止める。
「何か最近のデュラハン様、機嫌がいいな」
「そりゃそうさ、数年ぶりにこの城に遊びに来る
「こんな物好きな場所に誰が来るんだよ?」
「だな。でも今はこの城の掃除に専念しないとな」
「確かにな。サボっていたらデュラハン様の愛用の馬に背中を蹴られちまう」
「そうだな。ウマイことやらないとな」
配下のアンデッドたちはデュラハンの
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