第3話 あばよ
だが、銃弾が突き抜けたのは、田原総一郎ではなく、残像の田原総一朗だった。
田原は光速とも呼べるスピードでリーダーの放った凶弾をかわしていた。
ど、どこ!?
リーダーは狼狽えながら激しく首を動かし、周囲に眼光を飛ばす。
すると、遥か頭上から、
「ここだ、クソガキ!」
その声に導かれるように見上げると、強烈な太陽が目を射した。
太陽に隠れるように、上空10メートルはあろう高さから、まるで獲物を狙う鳥のようにヤンキー目掛けて足を突き出す。
「俺はタカ派でも、ハト派でもねーけど、鳥の様に舞うぜ!」
ズガン!
この衝撃音とともに、全ての決着が着いた。
田原総一朗の空中殺法をもろに喰らったリーダーは、そのままアスファルトにめり込んだ。
「盛りのついたガキどもは、雄琴に行け。わかったな」
リーダーの背中で仁王立ちする田原総一朗。ふんと、鼻息を荒くして、わたしを睨む。その眼光の鋭さにどきっとしてしまう。
「おじょーちゃん。あんたも、そんなミニスカートで歩いてたら、男からやってくださいって思われても仕方ないぞ」
「は、はい」
「あばよ」
「あ、あのっ!」
「ん? なんだい、おじょーちゃん」
「な、何か御礼を……。その、わたしでよかったら。あなたになら、わたし……」
「おいおい、冗談はよせよ。俺が好きなのは、********だけだ」
「じゃ、じゃあ、わたしはどうすれば」
「そうだな……」田原は暫し考え込むと、「あんた、カクヨムってやってるか?」
「え? は、はい。WEB小説サイトですよね?」
「小林勤務って作者知ってるか?」
「い、いえ。誰ですか、その作者」
「無名だけど、おもしれー小説作ってるやつだ。ぶっちゃけ俺は、カクヨムでは勤務の小説しか読んでねーよ」
「そ、その小林勤務さんが、どうしたんですか……?」
「おじょーちゃん、あいつの小説全部フォローして、メッセージ送ってやれ」
「な、なんて?」
「『田原総一朗』の名前を使うなら、遠慮すんなって。タブーを無視してのしあがった俺に、タブーなんて気にするな。シャレもわかんねーなんて、そんなのちゃんちゃらおかしいだろ。そして、もうちょっとかっこよく俺を描けってな」
「は、はいっ!」
劇終
PART2~田原総一朗VS山の危険生物~ へとつづく
田原総一朗VSヤリサ―軍団ANS。街の掃きだめは許さねえ。超絶バトルの開幕!~PART1~ 小林勤務 @kobayashikinmu
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