第6話 「地球が静止する日 お昼寝付き」

春の麗らかな、日差しを受けながら、僕は、椅子に座りながら半ば眠っていた。

僕の斜め前には偉そうなオジサンが、(校長らしい・・・)入学の祝辞を皆に述べている。

僕はひな壇の上で、ボケっと、それを見ていた。鴨志田家家元筆頭家老の下田何某だったか・・・・話が長い・・・

僕の意識は、そこで途絶えた。

如月機関長が、副官を撃った。副官は、上半身が瞬間的に蒸発したように消えた。

如月は、鋭利な目で周囲を睥睨する。

俺はため息を深くつく。

三日前に絵里が死んだ。撤退中に核の爆発によって蒸発したらしい。はははははっ

「26時に計画を実行する、これは、決定事項だ」

統合参謀本部の中心に俺はいて、決定を下した。

「中には、大東亜の民も、日系人もいるんですよ・・・大使館も・・・」

「わかっている」

「皆、分かっているだろう、我々がするのは、ごみ掃除だ。ゴミには消滅してもらう。例えいくら同胞が犠牲になろうともな」

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

「如月、こいつらに3人一組で監視をつけろ、不穏な動きを見せたら処分だ」

「は!!」

「皆、大事なことを、優先順位を、ちゃんと、心の中にもて、全てが救えるわけじゃない。我々は英雄には絶対になれない。悪魔と罵られよとも、我々はやらなければならない。まぁ、その時には、悪魔なんて言う人間は消滅しているわけだがな・・・」

「「「・・・・・」」」

「26時ちょうどに、全世界4689箇所に設置した、反物質爆弾を同時に起爆させる」

「「「・・・」」」

「これは、既に決定事項だ、抗弁は一切許さん!!国体を守る為、日本民族、大東亜の民のみをこの地獄から救う」

「PAKKOMANN、米帝、英帝、ドイツ帝国、アフリカ連合、イスラム国は、明朝二時に消滅する」

「各所に連絡、終わったら、国防総省を中心とした回線を物理切断」

「俺に批判的な将官は、全て粛清する」

「速やかに近衛軍によって帝都を掌握する、計画通りに動けば、明日の昼には、昼寝が出来るさ」

軽い笑いが広がっていく、皆の緊張がほどけていくのがわかる。

絵里、これは、君の為の復讐だよ・・・・絵里・・・・・・

肩を叩かれる、ビクッっと体が震える、恐怖が・・・・・・・・

「坊ちゃま、起きて下さい」

「あ、あ、ああーーー、また、小便が・・・・、こいつは本当に出来の悪い・・・・」

「ゆり、麻里・・・・・・・・」

「どうしたんですか?坊ちゃま、泣いているんですか?」

「泣いてない!!!」

「「・・・・・・」」

「いや、僕は、漏らしてもいないし、泣いてもいないよ。そんな目でみるなら、ここで脱糞してもいいんだよ」

「はい、はい、分かりました、脱糞はやめて下さいね」

麻里が肩を竦める。

「なぁ、絵里は大丈夫かな?」

「え、なんですって、ボケたんですか?ああ、元からボケてましたね、早く死んでくださいね」

麻里の声に、珍しく、ユリが首肯した。

僕はため息をつくふりをして、彼女たちから目をそらした。

酷く切迫した焦燥感がそこにあった。

何かが起こる、それは、既に確信として頭に存在する。

一体なにが・・・・

ぐらっ

大陸では、珍しく地が鳴った。

悲鳴が上がる。

その一瞬、僕には、残酷な未来が具体的に頭に浮かんだ気がした。

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