高橋先輩と(仮)④ -デート編-



ぜんっぜん寝れなかった…!!




昨日は早く寝ようと思ってたのに、杏実に『先輩と出かけるなら洋服買おう!』って強引にショッピングセンターに連れていかれたし、『私が全部選んだら真美の服じゃなくなっちゃうから』って言って、杏実にアドバイス(扱き)をもらいながら洋服を買ったはいいものの、自分に似合うかな?とか明日起きれるかな?とか考えてたら全然寝れなかった。



おかげで目の下にくまさんが現れた~。

テンションもおかしくなっております。はい。

このままぼーっとしてると遅刻しちゃうから、そろそろ準備しないと。

杏実からちょっとだけ教わったメイクを試して、昨日買った洋服に着替える。

たぶん…たぶん大丈夫。



「行ってきます。」


「あら、おめかしして、デート楽しんでね!」


「違うって!もう。」



お母さんにからかわれながらも家を出る。

いつも待ち合わせしている駅まで20分ぐらい。

待ち合わせの5分前に駅に着いた。

あ…



「あー!永祢ちゃん、おはよう。」


「お、おはようございます。」



初めて見る高橋先輩の私服。

マッシュの髪の毛はゆるく巻いてあって、服はカジュアルなジーパンスタイル。

あ、高橋先輩ってピアス空いてるんだ。意外な発見。かっこいい。



「さて、今日は浅草に行くよ~!!」


「浅草ですか?」


「そう、あそこは色んなお店があって、多分永祢ちゃんも気に入るお店があると思うんだ。まずは、飴のお店ね。」



そこは飴細工のお店だった。

金魚とか鶴を飴で作ってくれるお店で、お願いすれば目の前で作ってくれるの。

他にもうちわみたいな飴とか、定番の金太郎飴もあったりすごくきらきらした世界で全部ほしくなっちゃいそう。



「どう?」


「すごくキラキラしていて楽しいです!」


「よかった。」


「あんちゃん、できたよ。」


「あー!ありがとうございます!永祢ちゃん、見てみて。」


「ぺんぎんの飴だ~!かわいい!」


「でしょ?プレゼント。」


「いいんですか?」


「もちろん。その為に頼んだんだからね。」


「お嬢ちゃんペンギン好きなのかい?」


「えっと…はい!」



ペンギンの飴注文して作ってもらったのに、好きじゃないとは言いずらい…。

好きじゃないも違う気がする。

だって、この前の文化祭でもらったぬいぐるみとキーホルダーは大事に持ってるし、少し気に行ってきちゃってるもん。

でもペンギンの飴かわいいから食べるももったいない…。



「ずっと食べないで取っておいて腐らせないでね。」


「うっ…、かわいくてもったいないけど、ちゃんと食べます…。」


「いい子。他に買いたいものある?」


「いっぱい買っちゃいそうなので、大丈夫です!」


「おっけい、次いこっか。」



次は本物の飴とか金平糖をコーティングして作られた文房具とかアクセサリーが売っているお店だった。

でもそれがまたかわいい。

お腹空いてるときに見たら食べたくなっちゃうかも。



「キーホルダーだと邪魔になっちゃうよね~。」


「そうですね、意外と作りが大きいのでひっかけて無くしたら嫌です。」


「そうだよね…あ、これとかどう?」



それは本に挟むし”しおり”だった。

本はあまり読まないけど、教科書の開いているページにしおりを挟んで閉じても大丈夫なようにしているから、かわいいしおりは嬉しい。



「しおりいいですね!この飴のしおりにします!」


「おおきい飾りだと邪魔になっちゃわない?」


「でも、この丸い飴がいいです…。」


「んー、じゃあ、この小さい飴のピアスとしおりを買って、飴だけ交換する?」


「んん、大きくてもこれがいいのでこれにします!」


「ははっ、意外と譲らないんだね。でもいいんじゃない?」


「じゃあ買ってきます!」



可愛いしおりも手に入れてとってもホクホクな気持ち。

私が買ったあと、先輩も何か買ってたけど何を買ったかは教えてくれない。

でも今は私がホクホクだからいいや~。



「そういえば、お腹空いた?」


「空きました~。」


「じゃあ、そろそろお昼ご飯でも食べに行く?」


「行きます!」


「何食べたい?」


「私食べれるもの少ないので、フードコートがいいです…。」


「ふ、フードコートでいいの?」


「はい…。すみません。」


「永祢ちゃんがいいなら僕はいいんだけど。ま、僕は食べれればいいからね~。」


「ありがとうございます。」



好き嫌いが多いわけじゃないんだけど、食べれないものがあるからいつもご飯は困る。

特に初めて一緒に出掛ける人とかだと余計…。

だからいつもフードコートって言っちゃうんだよね。

そんな提案でもいいよって言ってくれる高橋先輩はやっぱり優しいな。

こんな優しい人の彼女になれる人は羨ましいかも。


とか考えながら、フードコートで各々好きなものを食べて、次はどこに行くのか話ながらゆっくり休憩した。






-つづく-








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