高橋先輩と(仮) ③ -4日目-


高橋先輩と仮で付き合い始めてから4日目


今日は金曜日、そう週末です…。


実は1日目に一緒にパスタを食べに行って以来、放課後は遊びに行ってないくて…。

もちろん朝は一緒に登校はしてるけど下校は一緒じゃないんだよねって、なんで私は一緒に登下校するのが当たり前みたいになってるの!?だめだめ、そんな。

高橋先輩のペースになんて飲まれちゃダメだって。



とまぁ、何でって聞いても学校があるからって言って詳しくは教えてもらえないけど、明日は先輩と1日デートする日って決めていて、何も予定入れないでねって念押されてる日でもあるんだけど…。ここまで遊びに行ったりしないとなんか、ただの先輩と後輩って感じ。

改めて先輩と後輩ってイベントとかないと関係性が薄いって実感している。


決して寂しくなんてないからね!

何変なこと考えてるんだろう。



「…み!…真美!聞いてる!?」


「え?あぁ、ごめん。」


「もう、先輩の事考えるのはいいけど、私も忘れないでよ?」


「そんな考えてないもん、それに杏実の事は忘れるわけないじゃん!」


「そんなね…まぁいいでしょう!てかなんか先輩らしき人が呼んでるよ?」



教室の入口を見てみると、茉希先輩がひらひらと手を振って待っていた。



「あ!茉希先輩!こんにちは、どうしたんですか?」


「隆樹から伝言で、明日はいつもの駅でいつもの時間に来てねって言ってたよ~。」


「わかりました。でもなんで茉希先輩が伝言に来たんですか?」


「あれ?聞いてないの~?昨日、隆樹の携帯壊れちゃったからって頼まれたの。でもさ、朝言えばいいのにね。」


「忘れてたのかもしれないですね。ありがとうございます。」


「いえいえ~。明日楽しんでね!」



携帯壊れちゃったんだ。

でも確かに茉希先輩の言う通り、朝登校するときに言ってくれたらよかったのに。

これで明日の待ち合わせは決まった…。休みの日に高橋先輩と出かけるのってなんか緊張する。


と考えてたその時、教室が急にざわざわしだした。

何事かと思って周りを見てみると、教室の入り口に私に向かって手招きしている高橋先輩がいた。

私を呼んでるのかな?自意識過剰じゃない、よね…?



「どうしたんですか?」


「突然来たのに驚きの言葉とか、こんにちはとかないの~?」


「こんにちは。いきなり1年の教室に来てどうしたんですか?」


「そっけないな~。まぁいいか、茉希から何か聞いてない?」


「え?高橋先輩の携帯が壊れてしまったことと、明日の待ち合わせについてです。」


「僕から言いに行くって言ったのに、やっぱり先に来てたか…。」


「何かあったんですか?」


「ううん、何でもない。明日は茉希が言った通りの時間と場所で待ち合わせで!」


「分かりました。」


「じゃぁ、僕は戻るね。」


「あ、明日楽しみにしてます…!」


「…!!うん。僕も楽しみにしてるし、後悔させない1日にするからね!」



なんで教室のドアとにらめっこしているのか、ですか?

それは…自分の顔が真っ赤になっているのが分かっているからです!!

だって、だってあんな笑顔で”後悔させない1日にする”って少女漫画みたいなこと言われたら、誰だって照れますよね!?

もう!



その後、杏実に散々いじられ、『あの先輩って、コンテストのペアの一人だよね?付き合ってるの?毎日一緒に登校してるよね?ぶっちゃけ好きなの?』とかほんといっぱい聞かれた…。前に話したはずなんだけどね。

これじゃあ、ちょっと前のクラスのこと一緒だよ。

幸いクラスの子からは何も聞かれなったからまだよかった。

杏実には申し訳ないけど、付き合ってないで押し通した。って、申し訳ないってなに!?実際、仮ってだけで付き合ってないもん!



でもやっぱりあんな笑顔を向けられたら誰でも勘違いしそうになっちゃうよ…。

それより、明日は先輩と出かけるから早く寝なきゃだね。








-つづく-








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