ついに後夜祭


ついにコンテストの結果が発表されるときが来てしまった…。

私は佐藤先輩とも高橋先輩ともペアで出てるから、どっちも選ばれてほしい…。

優勝は1組だけだから無理な願いだし、2人が選べれるってことは自動的に私もだから、無理かな。



「緊張するね、真美ちゃん!」


「はい。」


「ただのコンテストだろ。」


「だとしても出たからには選ばれたいです!」


「さっすが永祢ちゃん。僕も同じく選ばれたい~!」


「うちもメイク頑張ったもん、選ばれた~い!」


「佐藤先輩は選ばれたくないんですか?」


「ちっ、んな訳ないだろ。」


「ですよね!」



出場したんだもん、頑張ったし選ばれたい。



『後夜祭にお集まりの学生の皆さん!さぁさぁ!やって参りましたーーーーー!待ちに待ったイケメンコンテストの発表ぉーのぉお時間でぇーーーーーす!!!』



「「「「「いぇーーーーーーーい!」」」」」

「「「「「きゃーーーーーーー!!」」」」」



近所迷惑が心配になるような歓声と共にコンテストの結果発表が始まった。



『今回も審査員の教員の皆さんと、現地で見守ってくれていた観客の投票を元に!僭越ながらも順位を付けさせていただきましたーーーー!!』



司会の人が何か話すたびに歓声と口笛が鳴り響く。

なんか学校じゃないみたい!



『では!3位から発表を行っていきまーーーーーーしょうっ!』



デュルルルルルルルルルル…

デン!



南海なんかい、高田ペアーーーーーーー!!3年連続の優勝は叶いませんでしたが、堂々の3位入賞おめでとうございまーーーーーーす!!!』



3位に選ばれたのって見回り担当だった高田先輩!?

出場してたんだ…

しかも2年連続で優勝ってすごいな。

可愛いもんね。



「亘輝の去年のペア3位だって。」


「去年ペアだったんですか!?」


「覚えてない。」



去年も出場してて、しかも優勝してたなんてさすが佐藤先輩。



「賭けで負けちゃったんだもんね~!」


「賭けで負けたんですか?」


「あぁ、世界史のテストの点数で負けたらペアになれって言われて負けた。俺は世界史嫌いなんだよ。」


「言い訳は見苦しいよ、亘輝。」


「うるさい。」



テストで負けて嫌々出たのに優勝できるってすごいね。

確かに2人並んだら美男美女って感じだもんね。

それにしても高田先輩達が3位ってことは、勝った人って誰だろう?

その人すごいよね。



『さてさてお次はーーーー?2位といきましょーーーーーーう!!!ん?なになに?え!?ちょっとこれは…今回のコンテストはすごいですよ!!!』



それを聞いた生徒たちがざわざわし始めると、司会の人が耳に手を当て始めた。

何してるんだろう?



「「「「なぁーーーーーーにーーーー?」」」」



!?

1年生のリボンとネクタイを付けた生徒以外がそう答えていた…。

何事…?

なんかテレビとかで見るコメディみたい!



『なんと!今年は!!1位が2組います!!!!!!』



「「「「「きゃーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」」」



これこそ完全な近所迷惑と言わんばかりの歓声が校庭に鳴り響いた。

いや、そんなことよりも1位が2組ってことは、同点ってこと…!?

そんなことあるの!?



「今までこんな事なかったのに、すごいね~!」


「今年が初めてですか?」


「そりゃ、こんな事が毎年起こってたら困っちゃうよ。」


「そうですよね。でもすごいな…同点だなんて。」


「どことどこのペアかな~?」




今まで前例のない結果に生徒たちがざわざわしているし、長年この高校で働いているであろう先生たちですら驚いている。

すごい、マンガみたいな事本当にあるんだね。



私たちは誰が選ばれるのかドキドキしながら同着1位の発表を待った。






-つづく-








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