心の準備は!?
控室になっている柔道場はキレイな男女が3組いた。
今回の出場組数は8組で、あと残りの半分は剣道場が控室になっているらしい。
全部高橋先輩が話してくれたことだから“らしい”としか知らない。
「俺らはあそこの空いているとこだな。」
「そういえば私、ここにいていいんですか?」
「お前も出場者だからな。」
「えーーーーーーーーー!?」
「はははっ、永祢ちゃんそんな大きい声出たんだね。」
「あっ、ごめんなさい。」
つい驚きすぎて大きな声を出してしまった…。
控室にいる人たちがみんなこっち振り返ってる…恥ずかしい…。
それより私が出場者!?
私がランウェイ歩くの?誰と?まさか一人でとかないよね?
こんなかわいい人たちが出る中で私が!?
あ、めまいがしてきた…
「めっちゃ困っちゃってるじゃん。」
「出場は決まったことだ、諦めろ。」
「私の許可なしにですか…?」
「俺らの相手役なんだし拒否しないだろ。」
「そうやって決めつけちゃいけないんですよ~?まぁ、僕も拒否権はあげないけどね。」
「それだと、私に拒否権なんて最初からないじゃないですか…。」
「まぁ、そういうことだから、諦めてね。」
こんな”根暗日本代表”みたいな女子は、先輩たちみたいなかっこいい人と並んでランウェイ歩いちゃダメだと思うんですけどー!!
そんな私の抵抗も空しく2人の準備は進んでく…
「あー、もう!抵抗することはあきらめるので、私は何したらいいですか?立ってればいいですか?」
「は?そこにある服を着るんだよ。てか棒立ちはやめろ。せめて歩け。」
「そこって?」
は!?!?!?!?
他の出演者にはあまり見られないようにカーテンで区切られた場所に2着のドレスがあった。
1つは赤色のドレス。膝下ぐらいの長さになりそうなスカートに、背中がぱっくり空いてるドレス…。金の装飾がすごくきれいで大人って感じ。もう1つは白のドレス。スカートは膝上だけど後ろのレースが床ギリギリまで来るから綺麗というよりはかわいい感じ。オフショルダーのデザインで、装飾が金と少しだけ赤が入ってる。
どっちもすごく丁寧に作られてる感じがする。
でも、これ、私が着るんだよね?いいの?っていうより似合う…?
「これ、私が着るんですよね?」
「僕と出るときが赤色で、亘輝とは白だよ。」
「ほぇ~。」
「不満か?」
「滅相もないです!でも似合うか自信がなくて…。」
「大丈夫。僕たちが考えたやつだから!」
「え!?先輩たちが考えたんですか!?」
「そうだよ。」
すごい。
素直にそう思った。
だって服を一からデザインできるなんて普通じゃできないし、ましてやドレスなんて高校生の私たちには着る機会もなかなかないのに。
「佐藤さんと高橋さんのペアの方~!メイクするので来てください!」
「先僕だから赤のドレスに着替えてね!」
「わかりました。」
まず先に高橋先輩とのランウェイの準備か。
私、あんなドレスに似合うメイクの仕方とかわからないけど大丈夫かな?
自分でメイクしてくださいとか言われたら困る。
-つづく-
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