高校生活も普通に過ごしたいと思っていたのに、何故かそうさせてもらえません!
銀じゃけ
文化祭
出会ってしまった
「
「それ、まだ付けてくれてるんだ。」
「失礼な!洗ってますし付けてますよ!!」
だってこれは大切な物なんだから、そりゃ大事に大事にするもん。
1年前、好きな人ができた。
それまではマンガみたいな恋がしたい!!って思ってたけど、見ているだけで十分だったし、私がだれかを好きになることはこのままないかもとまで思っていた。
そんな私に好きな人が出来るなんて思ってもいなかった。
きっかけはある夏の日、文化祭の実行委員に選ばれたのが始まりだった。
実行委員はグループで役割が分かれていて、看板作りや放送係、実行委員でも出し物が出せてその買い出し担当とかがあって、私は余った見回り担当になった。
グループに入れなくてぼーっとしてただけなんだけど、見回りだと実質文化祭を回れるからよしとしよう!
見回り担当のメンバーは4人!
2年の男の先輩が1人と、3年の先輩が男女1ひとずつ、そして私。
「ねぇ、
「無理。俺一人で回るから。」
「最後の文化祭だよ?いいじゃん~。」
またぼーっとしてたら3年の女の先輩が男の先輩を誘ってた。
女の先輩は髪の毛が金髪に近い茶髪で、爪も化粧もキラキラというよりもギラギラって感じ。それが似合っているのが少し羨ましい。
でも髪の毛を指でくるくる巻き取りながら、体をくねくねさせて話してる…。
どうなってるんだろう?
「ねぇ、1年生。」
「…はいっ!」
「ねぇ、あんたはそこの2年と一緒に回ってくれない?いいよね?」
「え、あ、あの…」
突然話しかけられてビックリして言葉が出ない。
だってギラギラな顔で見られたら固まっちゃう。
「やめとけって。1年生が困ってんだろ。」
「あ、僕のことは心配してくれないんですね。佐藤先・輩。」
「お前は部の後輩だし良く知ってる。心配いらないだろ。」
あ、2年の先輩と3年の男の先輩は同じ部活なんだ。
どうりでさっきから動じてないわけだ。
「もーいい!佐藤と回れないならこの係辞める~!そのためにこのやりたくもない委員会に入ったのに~!!」
「残念でしたね。
「はぁ?2年のくせに生意気なんだけど。何様よあんた。まぁ、成績の為に名前だけは係に置いとくけど当日やらないから!じゃぁ後はよろしく~。」
「ご勝手に。」
「お好きにどうぞ。」
そ、そんな2人とも勝手に…
高田先輩も出て行っちゃったし、3人じゃ1日で回り切れないよ?
名前置いたままだったら人員補充もできないのに。
「あ、あの。どうするんですか?」
「3人でいいんじゃないですか?ねぇ、先輩?」
「何とかなるだろ。」
「そ、そうなんですか?」
「そうだ!自己紹介してなかったね。改めて、僕は2-C
「俺は3-A 佐藤
「1-E
結局3人で当日は見回りすることになってしまった。
1人でふらふら見回りしながら食べ歩きしようと思ったのに…。
しかも一日中歩きっぱなしってことになるなんて、運動嫌いな私には辛い。
当日にならないでほしいな~。なんてできないけどね。
って考えてたら当日になっちゃった…!!
重たい足取りで先輩達との待ち合わせの校門に行く。
「おはよう永弥ちゃん。」
「おはようございます高橋先輩。」
「さて、あいつは遅刻だろうから回る順番先に決めておこうか。」
「なんで遅刻ってわかるんですか?」
「幼馴染だから?」
「なるほど?」
だからこの前から仲良かったんだ。でも幼馴染だからって遅刻するかわかるのかな?
高橋先輩と決めた回る順番は、校舎の上の階から回っていくってそんな単純でいいのかな?
最後16:00には2人とも”イケメンコンテスト”に出るみたいでそこまでには回り切りきって、体育館に行きたいって…
1年から3年の5クラス分+部活での出し物全部ってかなりの量になりますけど。
こんな状況で大丈夫なのかな…。
不安だ。
「遅れた。」
「詫びか何かないんですか?先・輩?」
「お前のその先輩呼び2人の時だけでも何とかならないか?マジで気持ち悪い。」
「永弥ちゃんいるけど?」
「いいだろ、永弥なら。」
「そう?じゃぁー、遅れたんだから何かおごれよ、亘輝。」
「無理。」
「ふふっ…。あ、すみません。」
つい2人のやり取りが面白くて笑っちゃった。
今まで普通に先輩後輩の関係だったのに、こんなすぐにタメ語でしかも下の名前呼びなんて笑っちゃうでしょ。
「笑ったな。」
「あ、す、すみません。」
「別に。」
「永弥ちゃんやっと笑ってくれた。ずっと緊張してたら疲れちゃうからね。心配してたんだよ。」
「そうだったんですか?あ、ありがとうございます。」
「もういいだろ、時間無いから行くぞ。」
「はーい。」
実際に参加してみて思ったけど、文化祭ってすごいんだね!
各クラス好きな出し物ができるから、カフェやお化け屋敷、迷路、クレープ屋さんとかいっぱいあってすごく楽しい!
いつもは厳しい先生たちも楽しそう。
「永弥ちゃん目がキラキラしてるね。楽しい?」
「はい!すごく楽しいです!」
「そっか、それはよかった。」
「ほらこれ、さっき見てただろ?」
「クレープ!い、いいんですか?」
「遅れたお詫びするって言っただろ。」
「ありがとうございます!」
「亘輝~、俺のは~?」
「知らん。自分で買え。」
「ひどい~!」
ぶーぶー言いながらも佐藤先輩がラムネを買ってきてくれて機嫌が治ってた。
本当に仲がいいんだな。
そんな楽しいひと時ってすぐ終わっちゃうもので、気づけばもう15:40になろうとしていた。
2人はイケメンコンテストに出るらしいから、一人でどこかふらふらして食べ物買いにでも行こうかな。
さっき水あめ売ってるクラスがあったから買いに行きたい。
「おい永祢。」
「はい?」
「同じ係としてコンテストにも来い。」
「え!?」
「僕たちのステージ見て欲しいな~?なんて。」
「そ、そこまで言うなら、見に行きます…。」
せっかく水あめ食べようと思ってたのに、先輩2人のお願いはなぜか断りずらい。
コンテストって何するんだろう?
イメージだとランウェイ歩いて~かっこよくポーズ!みたいな?
「あの、コンテストってランウェイ歩くやつですか?」
「んー、確かに近い!けどこの学校は、女の子を1人選んで一緒に歩くんだよ!」
「へー、イケメンコンテストなのに女の子も歩くんですね。」
「エスコートも大事だと。」
2人が選ぶんだから、かわいい子なんだろうなぁ~。
見るの楽しみ…。
ズキンッ
ん?ズキ?
今日いっぱいいろんな物食べたからお腹きつくなっちゃったのかな?
しばらくしたら直る、よね?
『出演者入り口はこちら、関係者以外立ち入り禁止』
「あのー、私気づかずにここまで来ちゃいました。関係者以外立ち入り禁止って書いてあるので、戻って体育館で待っていますね。」
「「大丈夫」だ」
「ありゃー、まさかね?」
「え?え?何が大丈夫なんですか?まさかってなんですか?」
「とりあえず、大丈夫だからついてきて。」
大丈夫って言っても、2人でなんかコソコソ話してるし、本当にいていいのかな?
お手伝いって名目で舞台袖から2人の事見れるならそれはそれで嬉しいけど。
でも、女の人と一緒なんだよね…。
って、なんでこんな胸からお腹のあたりがズキズキするんだろう?
そんな変な物食べてないと思うんだけど。
気づいたら2人とも受付してるし!
「それじゃあ、高橋さん、佐藤さん、永祢さん中へどうぞ。」
「え?やっぱり私も中に入るんですか?」
「あぁ。」
「早くしないと置いて行っちゃうよ~。」
「ちょ、待ってください!!」
ちょっと、なんで私も中に入れることになっているの?
なんか受付の人笑ってるし…!?
-つづく-
読んで頂きありがとうございます!
ハチャメチャ学園ラブコメになる予定です…
ぜひ最後まで読んでいただければと思います!
面白かったら♡やコメント、☆などお願いします(*´ω`*)
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