第53話 ピザ





「おぉ……」


買い物を終えて帰宅した後、目の前のホットプレートの上を見てワクワクした気分になる。まゆがテキパキと準備をしてくれたピザ用の具材たちが入った器からどれを乗せようか迷う。


「りゅうちゃん、早くしないと皮焦げちゃう」

「あ、ごめん。えっと…どうしよう。まゆ、お任せでいい?」

「しょうがないなぁ」


ホットプレートの上に置かれた9枚の餃子の皮にまゆはテキパキと具材を乗せていく。はじめに6枚の皮にケチャップを塗って、ウィンナーとコーン、ベーコンとピーマンとたまねぎをトッピングした2種類の餃子の皮ピザを作る。そして残った3枚にまゆが焼いて小さく切ってくれたテリヤキを乗せてその上にマヨネーズをかける。美味しくないわけがない餃子の皮ピザだ。


3種類の用意が終わるとチーズを乗せて一旦ホットプレートの蓋を閉める。


「めっちゃ美味しそう…楽しみすぎる…」

「お姉ちゃんが作ったテリヤキの餃子の皮ピザは最高なんだよ。私も早く食べたい」

「まだダメです。もう少し待ってくださーい」


餃子の皮ピザが焼けるのを待ち侘びている僕とみほちゃんの様子を見てまゆは満足そうな表情をしていた。まだかまだかと待ち侘びる僕とみほちゃんを見て保育園児みたい。と言ってまゆは笑う。だって美味しそうなんだから仕方ないじゃん。初めての餃子の皮ピザでテンション上がってるし……


「そろそろいいかな…蓋開けるよ」

「「やった!」」


僕とみほちゃんの反応を見て笑いながらまゆはホットプレートの蓋を開ける。ホットプレートの上には熱そうにトロトロしたチーズがかかった美味しそうな餃子の皮ピザがあった。


「熱いから気をつけてね」


そう言いながらまゆはフライ返しで餃子の皮ピザをホットプレートからお皿に取り分けてくれた。


「「「いただきます」」」


いただきます。を3人でしてから早速僕とみほちゃんは餃子の皮ピザに食らいついた。


「あつぃ…」


勢いよく頬張ったみほちゃんとは違い僕はちゃんと少し冷ましてから食べた。みほちゃんイチオシのテリヤキの餃子の皮ピザはめちゃくちゃ美味しい。テリヤキにマヨネーズだけでもきっとめちゃくちゃ美味しいのにチーズかけてパリパリの餃子の皮の食感が合わさると最高としか言いようがない。


「やばい。めちゃくちゃ美味しい…」

「よかった。いっぱいつくるからいっぱい食べてね」


僕とみほちゃんの反応を見て微笑みながらまゆは次の分の餃子の皮ピザの用意をしていた。まゆにばかりやらせてしまうのも申し訳ないし僕もやってみたいのでまゆに指示をもらいながら餃子の皮ピザを焼いてみた。すごく楽しくてすごく幸せな時間だった。





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