第47話 激怒
「なんかお姉ちゃんお酒臭い…呑んだの?」
「え?」
部屋に入ってすぐにみほちゃんにお酒臭いと言われたまゆはくんくん。と自分の匂いを嗅いでいた。まゆ自身は朝にシャワーを浴びたのでお酒臭いわけではないのだが、まゆの服に居酒屋独特の匂いが染み付いていたみたいだった。
「お姉ちゃんが朝からお酒呑むわけないし…朝早い時間に来たのに留守だった…あれぇ。もしかして2人のお邪魔しちゃったぁ?」
す、鋭い…みほちゃんに何があったのかを見破られてまゆはち、違うもん。と、明らかに慌てた様子で否定していたが、嘘だということがバレバレである。そんなまゆの慌てる姿を見てみほちゃんはめちゃくちゃニヤニヤしだす。
「りゅうさーん。お姉ちゃんとしたこと気持ちよかったぁ?」
反応に困る。みほちゃんに聞かれて朝、まゆとしていたことを思い出してその…少し興奮してしまう。
「あれぇ。りゅうさん顔真っ赤だよぅ。どうしちゃったのかなぁ?あれぇ。お姉ちゃんも顔真っ赤だぁ」
わざとらしい声で僕とまゆを楽しそうに揶揄いだす。まゆを見ると顔が真っ赤だった。きっと僕の顔もまゆと同じようなことになっているだろう。
「とりあえずお姉ちゃん。そんなにお酒臭いとりゅうさんに嫌われちゃうよぅ。ほら、早くお風呂入って来なさい」
「うん。そうする…」
みほちゃんにそう言われて顔を真っ赤にしたまゆはこの場から逃げるようにお風呂場に逃げようとする。朝、シャワー浴びてたじゃん!逃げないでよ!
「じゃあ、お姉ちゃんがシャワー浴びてる間、りゅうさんは私と今朝お姉ちゃんとしたようなことしちゃう?」
そう言って僕の腕をぎゅっと抱きしめるみほちゃん。やばい。その……やばい。この弾力やばい。まゆみたいに少し小さい方がかわいくていいと思ってたけど…この弾力はやばい。
やばい。やばい。と何度も思いながらドキドキしていると部屋の中の空気が凍りついたのがわかった。
「みほ……」
「は、はい」
「りゅうちゃんから今すぐ離れて」
「は、はい。ごめんなさい……」
今のまゆには絶対に逆らえない。たぶん…めっちゃ怒ってるから……
「りゅうちゃん」
「は、はい」
「なんでそんなデレデレしてるの?まゆよりみほの方がいいの?どうなの?」
「ごめんなさい」
「質問に答えて」
「まゆのことが大好きです」
「じゃあ、みほに抱きつかれたくらいでデレデレするのはおかしいよね?なんでかなぁ?胸?」
「質問に答えてって言ったよね。まあ、いいや。反省してきて。みほ、そこに正座」
「は、はい」
僕はリビングから廊下に追い出されてみほちゃんはリビングの床で正座させられていた。やっぱりまゆ、めちゃくちゃ怒ってる。
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