第48話 お仕置き
廊下に追い出されてからしばらくの間、リビングでまゆがみほちゃんにお説教をする声が聞こえてきた。たぶん、みほちゃんの次は僕の番だ。怖い……
しばらくしてまゆに入って。と言われたのでリビングに入りまゆの前に正座して座る。
「あれ…みほちゃんは?」
「今あっちの部屋で反省してるからりゅうちゃんは気にしないで」
まゆが寝室のドアを指差してにっこりと微笑みながら言う。こ、怖いです……
「りゅうちゃん」
「は、はい…」
「まゆじゃ満足できない?」
「そ、そんなわけないじゃん」
急に涙目になるまゆを慌てて抱きしめて僕は言う。僕にとって一番大切な人がまゆだ。ずっと一緒にいて欲しいしずっと一緒にいたい。一緒にいると幸せで一緒にいてくれると幸せ。優しくてかわいくて料理も家事もできて、ちょっと怖がりで泣き虫で甘えん坊なところもあるけどそういうこと全部合わせてまゆのことが大好きだ。まゆがいい。まゆじゃないと嫌だ。そうまゆに伝えるとまゆはさらに泣いてしまう。
「じゃあ、まゆ以外の女の子にデレデレしないでよ…」
「ごめんなさい」
泣きながら抱きついてきたまゆを僕は抱きしめ返す。
「ごめんね。まゆ、めんどくさいよね…嫉妬してぐちぐち言って…」
「そんなことないよ。悪いのは僕だからまゆは何も悪くないよ」
「ありがとう…」
「さて、じゃあ、りゅうちゃん。今からお説教ね」
「え…お、お説教…するの?」
え、完全に許してもらえる流れじゃなかった?え?今から怒られるの?さっきお互い抱きしめ合っていい流れだったのに?許されてなかった?
「お説教と…りゅうちゃんがまゆ以外の誘惑に負けないようにお仕置き…するから……」
そう言ってまゆは僕を正座させる。
「勝手に動くの禁止…だから……」
そう言ってまゆは僕をぎゅっと抱きしめる。そして僕に身体を密着させてそっと僕の耳辺りを軽く舐める。
「ちょ…まゆ……」
「動いちゃだめ。って言ったよね?動いたからお仕置き」
そう言ってまゆは耳を舐めるのをやめて僕の口に唇を当てる。1秒…2秒…3秒………と長い時間まゆと唇が重なる。
「まゆ…」
「えへへ。どう?まゆに夢中になってくれた?もうまゆ以外の女の子にドキドキしたりしない?」
「まゆ…好き。大好き」
居ても立っても居られなくなり、僕は僕の方からまゆの唇を奪う。まゆは嬉しそうに受け入れてくれる。
「まゆ…続きしたい……もっとまゆに夢中になりたい…」
「だーめ。みほがいるの忘れてない?みほが帰ってから2人でゆっくりしよう」
「うん」
気づいたらまた一段とまゆに夢中になっていた。まゆ怖い。
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