第46話 トツゼン





まゆと気持ちいいことをした後、2人でシャワーを浴びて部屋を出て近くのカフェでモーニングをすることにした。


ちょっと気まずくてお互い口数は少なかったが、幸せな時間には変わりない。まゆとカフェでまったりするのはまゆと付き合い始めた頃からの幸せな時間なのだから…


「え!?」


ちょうどモーニングのトーストを食べ終えた時に、まゆがスマホを見ながら驚いた声を出した。


「どうしたの?」

「え、えっと…みほがアパート来てるって……」

「え!?」


今日は土曜日だから大学の講義はないはずだけど…いきなり過ぎない!?部屋は普段からまゆが綺麗にしてくれてるから問題ないはずだけど予告なしでは来ないよ普通……


「みほちゃん1人?」

「う、うん。1人らしい。今日お泊まりするから〜って連絡来てる…」

「いきなりすぎるでしょ!」

「みほが迷惑かけてごめん…」


妹が迷惑をかけたことに対してまゆはめちゃくちゃ謝るがまゆは悪くないよ。いきなり押しかけてきたみほちゃんが悪いし…ていうか僕には何も連絡ないんだけど……


一応、大学とバイト先で仲のいい先輩後輩の関係だったから連絡しないで行っても泊めてくれるでしょ。みたいなのがみほちゃんの考え方だから仕方ないか…もう少しお姉ちゃんに似てほしかった…大学時代はみほちゃんに振り回されたこと結構あったから今更だけど……


「待たせちゃうのも悪いし帰ろうか」

「う、うん。ありがとう。本当にごめんね」

「まゆは悪くないから気にしなくて大丈夫だよ」

「いや、妹だからって甘やかしすぎてたまゆが悪い。そろそろちゃんとさせないと…帰ったら怒る」


…………大学生の時に同じようなセリフ何回も聞いたんだけどなぁ。と口には出さないがまゆがみほちゃんを怒れないことは知っている。


とりあえずお会計を済ませてまゆと手を繋ぎながら駆け足でアパートに帰る。


アパートの近くに行くと、駐車場のまゆの車の近くにみほちゃんがいることがわかって、僕とまゆは繋いでいた手をお互いまったく同じタイミングで離してみほちゃんに近づいて行く。


「あ、お姉ちゃんにりゅうさん、久しぶり!」


そう言ってみほちゃんはまゆに抱きつく。


「お姉ちゃん…いきなりごめんね。お姉ちゃんに会いたくなって来ちゃった」


こうすればまゆは許してくれる。とわかってやっている表情でみほちゃんはまゆに抱きついて甘え出す。


「えへへ。そっか嬉しいなぁ。とりあえずアパート入ってよ。寒くなかった?みほの大好きなミルクココア用意するね」


ほら、怒らない。知ってた。期待もしてなかった。うん。しょうがない。まゆは妹思いの優しいお姉ちゃんだから。まゆのそういうところも大好き。





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