第36話 帰宅





「はぁ…疲れた………」


社会人初日、まずは挨拶巡りして人の名前を覚えてやることいろいろ教えられて…定時で帰れはしたけどめちゃくちゃ疲れた。おまけに昼ごはんの弁当と僕が付けてる指輪を見て彼女いるの?というトークが始まり同棲してる。と知ったらきゃーきゃー言われてなんかいろいろ疲れた。社会人って大変……初出勤が金曜日だったので明日明後日は休みだが、休日がこんなにありがたいものであることを初めて知った。


とりあえず、まゆの前では疲れた表情をしないで明るく接しよう。とアパートの部屋に到着する前に頬を叩いて気合いを入れる。


アパートの駐車場にまゆの車が停まっていたのでまゆは僕より早く帰ってきているみたいだ。まゆが部屋にいるということは鍵だけでなくチェーンもかけているだろうからインターホンを鳴らしてまゆに鍵を開けてもらう。


「りゅうちゃん、おかえり。お疲れ様」

「まゆもお疲れ様」


帰ったら大好きな彼女が笑顔で出迎えてくれる。めちゃくちゃ幸せ。エプロン姿ということは料理中だろうか…疲れてるはずなのに料理作ってくれるまゆに感謝!


「ねぇ、りゅうちゃん、もうすぐ夜ご飯できるけどすぐに食べる?それとも先にお風呂入る?そ、それとも…ま、ま…ゆ……に………する?」


自分で言い出したのに最後の方顔を真っ赤にしてめっちゃ早口で僕に尋ねるまゆがめちゃくちゃかわいい。


「ごめん。最後聞こえてなかった…なんて言った?」

「な、なんでもないよ。わ、忘れて!!!」


なんか、まゆが恥ずかしさのあまりフリーズしてしまっていたのでとりあえず聞こえなかったことにしてまゆの恥ずかしさをなくしてあげた。


「で、どうする?お風呂先に入る?」

「うーん。先ごはんがいい。まゆがせっかく作ってくれてるんだから出来立ての一番美味しい時に食べたい」

「はーい。じゃあ、すぐに用意するね」

「あとお風呂一緒に入りたい」

「え…」

「あ……」


疲れすぎて思っていたこと全部口に出してしまっていた。まゆと一緒にお風呂に入りたい。って言う願望を思いっきり曝け出してしまった。どうしよう……


「ま、まゆ、ごめん。なんでもないから忘れて!」

「い、いい…よ……」

「え?」

「一緒…ね……約束………」

「え、あ、うん…」


なんか成り行きでまたまゆと一緒にお風呂に入ることになった。幸せすぎん?


「あ、鍋沸騰してる…」


約束をした後まゆは逃げるように台所に走って行った。嬉しいけど…まゆは嫌じゃないのかな?とちょっと不安に思いながらまゆが夜ご飯を作ってくれている間にリビングと寝室の片付けをしていた。





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