第11話 おはよう。おやすみ。
りゅうちゃんと暮らし始めてから2日目、お散歩帰りにスーパーで買い物をしてアパートに帰り、まゆが作た夜ご飯を食べてから2人で映画を見て順番にお風呂に入って2人で眠った。りゅうちゃんと手を繋いで歩いて、まゆが作ったごはんを美味しい。って言いながらいっぱい食べてくれて。いっぱい笑えてすごく幸せだ。
大学を卒業する時期が迫ってきた時、まゆは辛かった。今まで、大学やサークルでりゅうちゃんと毎日のように会っていたのに、お互い別々の場所で働いたらもう今までのように毎日りゅうちゃんに会えなくなってしまう。
「また明日ね」
毎日毎日、りゅうちゃんにおはよう。って言って、また明日ね。って言えることを幸せに感じていたけど、夏の終わり卒業が身近なものになっていく時、また明日ね。って言うのが少しずつ辛くなっていた。
あの日、りゅうちゃんに寂しい。って伝えた日…また明日ね。って言おうとしたのに我慢の限界でまゆはりゅうちゃんが困ってしまうかな。と思いながらも寂しい。とりゅうちゃんに伝えた。
りゅうちゃんはすぐにまゆを受け入れてくれた。
それからはずっとまゆは幸せだった。それからは今までのように明るい気持ちでおはよう。とまた明日ね。を言えるようになった。
卒業までの期間にお部屋を決めたりお互いの両親に挨拶したり、いろいろなことがあった。そんな思い出の中にはいつも隣にりゅうちゃんがいてくれる。これからも、まゆはりゅうちゃんと2人でいっぱい楽しい思い出を作りたい。まゆの隣にはずっとりゅうちゃんがいて、りゅうちゃんの隣にはずっとまゆがいたい。
そう思いながら、眠っているりゅうちゃんを今までより少しだけ強くぎゅっと抱きしめた。
「りゅうちゃん、ありがとう」
りゅうちゃんを起こさないように本当に小さな声でまゆは眠っているりゅうちゃんにありがとう。と伝えた。まゆの隣にいてくれてありがとう。まゆを隣に置いてくれてありがとう。まゆを幸せにしてくれてありがとう。いろんな意味をありがとう。の一言に込めた。
「また明日ね」
そう言ってりゅうちゃんの頭を撫でてまゆも眠りにつく。朝、起きたらりゅうちゃんに一番最初におはよう。って言うんだ。りゅうちゃんにおはよう。とまた明日ね。って言えることがまゆにとって一番の幸せだから…
でも、こうして一緒に暮らし始めたんだから…これからはおはよう。とおやすみ。にしようかな…
「りゅうちゃん、おやすみ」
小声でりゅうちゃんにそう言ってりゅうちゃんをぎゅっと抱きしめてまゆは目を閉じた。
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