第5話 初夜の約束
「まゆ、お風呂行くからまゆが出るまでにりゅうちゃんは寝てて…」
僕の真横に座ってしばらくYouTubeで動画を見たりしてしばらく一緒に過ごして、僕がお風呂に入った後まゆに真剣な表情で言われた。
「お風呂上がり見られるのなんか恥ずかしいから寝ててー」
なんで?と聞いたら真横から軽くぽこぽこ叩かれながらそう言われた。大好きな彼女のお風呂上がり姿…みたい。こ、これから一緒に暮らすんだからさ……これからずっと見ないわけにはいかないしさ……見たいしさ……
「ほら、早く、お布団入りなさい。まゆが出てくるまでに寝てないと今日一緒に寝てあげないからね」
そう言っててきぱきと布団を敷き出すまゆ…お布団2つあるのに1つしか敷いてない。い、一緒に寝るのは大丈夫なのにお風呂上がり姿を見られるのは嫌なんだ……
「ほら、早く!」
「………」
「そんな顔してもダメだからね。早く寝なさい」
何かを訴えかける表情(この表情をしたら大体まゆは甘やかしてくれる)をしてみたが今日は効果がなかった。そんなにお風呂上がり姿見られたくないんかい。
「まだまゆと一緒にいたいのに…お布団入ってから寝るまでゆっくりお話とかしたかったのに……」
「…………」
僕がまゆに訴えかけるとまゆはまゆも……と言うような表情になる。だから、まゆが髪乾かしたりするまで絶対見ないから起きてていい?とまゆに聞くとあっさりいいよ。2人で一緒に寝ようね。約束だよ。とめっちゃ笑顔で言ってくれた。
そんなやり取りを終えて、まゆは鼻歌を歌いながらお風呂場に向かって行く。すぐ近くで、自分が大好きな人がお風呂に入っている。という状況で少しだけドキドキしてしまう自分がいたりして、ちょっと落ち着かなかった。
たまに微かに聞こえてくるまゆの鼻歌やシャワーの音を聞き取るたびにすごくドキドキしてしまう自分がいる。
しばらくするとお風呂場のドアが開く音がしたので僕はまゆとの約束を守るためにお布団を被る。まゆがいいよ。と言うまではずっとお布団をかぶっている約束だ。
まゆがドライヤーで髪を乾かしたりしている間、お布団の中にいるわけだが、同棲初日の緊張などで疲れが溜まっていたからか眠たくなってしまう。まゆと一緒に寝る。って言う約束を果たす為に頑張って起きていようとするが、めちゃくちゃ眠い。
たまにまゆが起きてる?と言ってくれなかったら僕は眠ってしまっていただろう。まゆがたまに話しかけてくれたり、ドライヤーの音でかろうじて起きていられたが、お布団の誘惑は強くて…強すぎて………
……………………
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