page17
時刻は8:15
今日は余裕で学校に着いて、既に教室に着いた。
クラスメートがちらほら立ちながら喋っているのを見ながら俺は席についた。
『おはよ蓮』
『よう、相田』
隣の席の相田隼人が挨拶をしてくる。
彼は昨日休んでいて、学校に来てなかった。
『聞いたよ、お前クラス委員になったんだって?』
『ああ、まあな』
『マジで意外だわー、しかも相手が佐伯って…どんな組み合わせだよ』
それは昨日から何回か聞いた。
意外なことはもうわかっている。
『先生にまで同じこと言われたよ』
ハハッそりゃそうだと隼人は笑いながら言った。
『てかよ、桐谷勘弁してくれよ〜休んでる俺を風紀委員にするなんて…』
風紀委員なのだが、特に面倒な委員会として有名なので誰も手が上がらなかった。
だから休んでいた隼人を勝手に俺が風紀委員にしておいてあげたのだった。
『ああ、それはだな』
風紀委員に人気がなかったことを言おうとしたら背後から声が聞こえた。
『休んでたあんたが悪いのよ』
振り向くとリュックを背負った綾がいた。
『げ、栄田…』
『何よ、げって』
ギロッと睨みながらそう言う。
気の強い綾はよくお調子者の隼人に対してよくきつい言葉を投げる。
そのためか隼人は綾が少し苦手らしい。その逆も然り。
『いやなんでも…ないです』
萎縮した隼人はそそくさと授業の準備をし始めた。
『おはよ蓮』
今度はこちらの方を向き挨拶してくる。
『ああおはよ、今日も朝練か』
『そうよ、朝から10キロも走らされてクタクタよ』
10キロは聞いただけで疲れてくる。
朝からよくそんなにも走れるもんだ。
『そーえば、ミナ凄い嬉しそうにしてたぞ』
そう言うと綾の表情がニヤッとした。
『ああ私が行くこと?嬉しいわね、何か買って行ってあげよ』
たかがそれだけで随分と良い振る舞いになるもんだ。
ミナが普段から綾にねだったりしてないだろうなと心配になる。
『お前ミナに関しては本当甘々だよな』
『いいでしょべつに可愛いんだから、でもミナちゃんいい子だからいつも遠慮するのよね』
それを聞いて安心した。
いい子に育ってくれていて兄として嬉しい限りだ。
話をしていると気がつけば30分をすぎている。
そろそろ先生が来る頃だなと思ったタイミングで丁度教室の引き戸が空いた。
『ほれー、ホームルームやるぞー』
先生がそう言って全員が席に戻る。いつもの光景だ。
『えー、今日の連絡だが、クラス委員は昼休みに集合がかかってる』
集合?なんで昼休みに。
委員会は来週の月曜日のはずだ。
『俺はよく知らんが、とにかく飯持って3回の多目的室集合らしいぞ、佐伯と桐谷は忘れないようにな』
ちらっと佐伯の方を見ると、佐伯もえーって言い出しそうな表情をしていた。
俺も昼休みは優斗たちと飯を食うつもりだったのだが、まあ仕方がない。というか問題は佐伯と昨日以来喋る方だ。
『以上だ、今日も一日勉強がんばれよー』
そう言って先生は教室を後にした。
とりあえず佐伯とどう接するか、昼休みまでに考えておこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます