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『お兄ちゃん、おっかえりー!』
家に帰るとハイテンションな妹、ミナが俺を出迎えてくれる。 なにかあったのだろう。
『なんだ、なんか良いことでもあったか。』
『お、お兄ちゃん察しがいいね〜!』
そう言うとミナは机の上に置いてある雑誌を取ってペラペラとページをめくり、とある1ページに乗ってる絵を見せてきた。
『じゃーん!ここみてよ!』
その絵をよく見ると、絵の左側に小さく桐谷未菜と書いてある。なるほど、漫画雑誌に投稿した絵が採用されて載った訳か。
『へーすごいじゃん』
『うわー…反応うっす…もうお兄ちゃんに私の絵見せない。』
若干拗ねた感じでミナが雑誌を閉じてしまった。
まずい、もっと褒めとかねば。
『おーすごいな!流石はミナだな!』
『わざとらしいな…まあ許してあげましょう。』
ミナはニコッと笑いながら、自分の絵をもう一度見返していた。ミナは昔から絵を描くのが大好きで、ちょくちょくこうやって自分の絵を投稿している。最も年頃なのか恥ずかしくて周りの友達に言えてないようで、自慢できるのが俺くらいしかいないようだが。
『そーえば今日親父は?』
ミナに問う。いつもなら親父が帰ってきている時間帯だが、今日はまだ家にはいない。
『遅くなるって。私もさっき帰ってきたからさ。お兄ちゃんご飯食べてきたんでしょ?』
『ああ、悪いな。』
『いーよ。私は一人でなんか作るから。てかてか、来週綾ちゃんがくるの聞いた?』
『ああ、なんかそんなこと言ってたな』
『うちに来るなんて超久々だよね〜!いつ以来だろ!一緒にホラー映画見るんだー!』
二人は昔からホラー映画とかお化け屋敷の類が凄く好きで、よく一緒に見たり行ったりしている。俺はと言うとそういうのは大の苦手で、前に無理矢理見せられた時は途中でギブアップした。
『お前ら本当にそう言うの好きだよな』
『まあねー!お兄ちゃんも見る?』
『断固拒否する』
『はあーそう言うと思った』
呆れた顔でミナはそう言うとキッチンに行き冷蔵庫を漁り出した。
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