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『遅いぞー蓮』
校門には優斗達が自転車に跨ぎながら俺のことを待っていた。
『わり、遅れた』
綾と少し話していたせいで帰るのが遅れ、5分程彼らを待たせてしまっていたようだ。
『また愛しの栄田さんと話してたんじゃないの〜』
『待ちくたびれたぞ蓮。』
優斗の隣にいるのは半田湊と鈴木竜也。この2人と優斗と俺の4人でいつもつるんでいる。
『なんでわかるんだよ。つか綾はねえって。家族みたいなもんだよ。』
実際綾に好意を抱いたことはない。
昔から一緒にいすぎて家族同然の間柄になってしまっているからだ。
『はあ、もったいね。俺にそのポジションくれよな〜』
お調子者の湊はいつもこうやって俺と綾の仲を茶化してくる。
別にこういう場で茶化すのはなんとも思わないが、いくらなんでも綾と喋ってるときにラブラブだねとか言ってくるのはやめてほしいものだ。
『まあ、可愛いのはわからんでもないけど。怖いしなああいつは。』
優斗が話に入ってきた。
彼は一年生の頃綾とクラスが同じだったのだが、綾があまりに気が強いせいでクラスの男子と衝突している場面を何度も見ていたせいで、彼女に対して怖い印象を植え付けられている。
『どーでもいいけど、早く行かねえか?俺腹減ったよ。』
竜也が話を遮るようにしてそう言った。
彼は割と真面目な性格なのでこの話になると俺を気遣って話を変えてくれる。
『はいよ〜、じゃあ行こうよ。』
湊がそう言うと全員が自転車を漕ぎ出した。
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