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『それじゃ帰りは気をつけるんだぞー。ほれ、クラス委員。』


『起立、礼』


放課後となり、クラス委員となった俺が号令をかけて一日を締める。クラスメートはそれぞれ部活の準備入るが、俺は帰宅部なのでただ帰るだけだ。最も、今日は優斗達と飯を食べに行く約束をしているわけだが。


俺が帰り支度をしていると、リュックを背負い部活に行こうとしている綾が、こちらに話しかけてきた。


『ねえそういえば、あんたんち今度行くから』


『え、なんで?』


『ミナちゃんが一緒に映画見よーって言ってきたんだけど、私部活でいつも遅いし。あんたんちで見ることにしたわ。』


綾とミナはよく休日はよく2人で遊んでいるが、ここ最近綾が部活でかなり忙しい関係で遊んでくれないとミナがぼやいてたのは知っていた。それで綾が気を効かせて家で映画を見ようということになったのだろうか。


『いや、うちじゃなくて綾の家で見ればいいじゃないの?うちのテレビそんなでかくないぞ。』


『あんたの妹まだ中学生でしょ。夜遅くの外出禁止よ。』


お前は保護者かとツッコミを入れたくなるような過保護発言だ。綾は昔からミナのことは妹のように可愛がっており、時たまこういった親身すぎる発言をする。


『はいよ、いつも見守ってくれてありがとうございます。』


皮肉りながら俺はそう言った。


『なんならミナちゃんくれてもいいのよ』


綾がにやけながらそう言う。こいつは何を言っているんだ。


『ま、来るなら親父も歓迎だろ。結構久々だもんなうちくるのも。』


『そうね。そういえば結構久しぶりね。』


10年前くらいだろうか、昔は綾はうちにばかり遊びにきていた。

毎日のように綾とミナと俺、三人で遊ぶ毎日。そしていつもそこには俺の母親が俺らを見守ってくれていた。


懐かしい、何も考えずにただひたすら遊んでいたあの日々。今考えれば、あの時が俺が一番楽しいと思えた日々だったのかもしれない。


『んじゃ、俺用事あるから。また明日。』


帰り支度が終わり、スクールバッグを持って席を立った。


『うん。またね。蓮』

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