page10
『とうちゃーく〜』
自転車を漕ぎ続け40分ほど。ようやく目的地のレストランに着いた。
看板にはチャイナビュッフェと書かれていた。まあ名前の通り中華料理のバイキングレストランなのだろう。
『ここが優斗が前から行きたいって言ってたところね。』
竜也が言う通り、優斗は結構前からここに行きたいと言い続けていた。
『そそ。念願叶った感じよ。さあ早くいこーぜ。』
駐輪場に自転車を置いた俺達は、店の入り口へ向かう。値段はそんなに高く無いと行く途中で聞いていたが、店の雰囲気はなかなか高級そうな感じで制服を着て入るのも躊躇うくらいだ。
『いらっしゃいませ。何名様ですか?』
入り口に入るとすぐに店員が出迎えてくれた。
すかさず優斗が前に出て人数を言った。
『4人です。』
『かしこまりました。あちらの空いてる席をご利用下さい。』
店員が指差した空いてる席に、俺達は向かった。
席に着くとメニューが置いてあり、大きく1500円食べ放題と書かれていた。なるほど、高そうな雰囲気の割にかなりリーズナブルな値段設定だ。
メニューをまじまじと見ていると店員がすぐにやってきてお店の説明をしてくれた。一般的なビュッフェスタイルで、特に変わってるところもないようだ。
『んじゃ、取りいこぜ〜』
店員の話が終わるとすぐに湊が席を立ち、つられて俺達も席を立った。
周りを見渡すとお店はかなり大盛況で、時間がまだ早いこともあり満席までは行かないが空席は少ない。俺達と同じ学生客が多く、かなり騒がしい店内となっていた。
『あれ?あそこにいるの、うちの高校の子じゃね』
湊がうちの制服の生徒を見つけたらしく、指を指した。その先に女生徒4人がいた。…よく見るととても見覚えのある顔、佐伯藍那がいた。
『あれ、あの4人って俺らの学年の…てゆか蓮と同じクラスのやつらじゃん』
優斗も見覚えのある顔に気づいたらしい。
『本当だな。クラス替え間もないのにもうメンバー固まってるんだな。』
俺がそう続ける。茶化されるのがめんどくさいのでクラス委員で佐伯と一緒になったことは今言わないでおこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます