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俺は石田先生に言われた通り教壇にの前に立つ。
残る委員会を一つ一つ決めなきゃ行けないわけだが、これがまた時間がかかりそうである。
『えっと、とりあえず委員会一つずつ決めてきますね。まず体育委員から』
ちょっと張り上げた声でクラス全体にそう言うと、すぐに手が上がる。野球部に入ってる男子とテニス部に入ってる女子がすぐさま立候補してきた。
『オーケー。じゃあ林田と細野ね。』
そんなこんなで他の委員会はすぐに決まっていった。特に滞ることが無かったのを見るとある程度は仲良い者同士などでやりたい委員会などは被らないように話し合ってたりしていたのだろう。
『じゃ、これで終わりね。石田先生呼んできます。』
そう言って俺は職員室に一時的に戻った石田先生の元へ向かった。教室を出てほどなくして、もう1人のクラス委員佐伯藍那がついて来てることに気づいた。先程のホームルームで佐伯は前にいるのにただ立っているだけだった。まあ俺が勝手に司会をやっていたからなのだが、それで気でも遣ってついてきたのだろうか。
『別に着いてこなくてもいいよ。呼ぶのは俺1人でいいだろ。』
俺がそう言うと、黒い長い髪を靡かせた佐伯は口を開いた。
『むしろ私が行かなきゃだよ。蓮くんに司会やってもらったんだし。あ、ありがとね司会やってくれて。』
やっぱり少し気を遣ってたみたいで、申し訳ない気分になった。
『いや、まあ俺が勝手に仕切ってただけだしな。気にしないでくれ。』
『ふふっ。でも蓮くんって意外に前に立ったりする人なんだね。』
それはこっちのセリフだと言いたくなる。
むしろ佐伯がクラス委員になると言うことの方がクラスメート的には意外だっただろう。
『佐伯さんもかなり意外でしょ。あんまクラス委員とからやりたがらないタイプだろ。』
『お、よく知ってるね。でもねー内申とかそろそろ意識しなきゃ行けないしさ。だからこういうのもやっとこうとおもって!』
納得した。佐伯は学年でもトップレベルの学力を持っており、そのため早い段階でもう進路は考えているのだろう。
『なるどね。そういうの俺は考えてなかったな。』
『えーそうなんだ。じゃあなんでクラス委員なんてやったの?』
彼女は不思議そうな顔でこちらを見てくる。
『なんでだろうな。ただ皆少し前に出ることに興味があったというか。そんな感じ。』
『蓮くん、意外に目立ちたがり屋さん?』
『そんなことはないけどな。ま、特に深い理由はないってことだよ』
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