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クラスは引き続きざわついていた。

このクラスは女子でもクラス委員なんてものをやりたいと思うような前に出る気質のある人間がいないことは知っている。まあ俺が相方になるからやりたくないと思う奴もいるのかもしれないが、簡単に決まらないのは確かだ。


『おーい、誰もやるやつはいないのかー』


俺が手を挙げてから7分程が経過し、流石に石田先生も痺れを切らしたのかクラス全体に対して催促をしている。


『ねえ、クラス委員って大変なのかしら?』


綾が再びこちらを向いて俺に話してくる。


『まあ言うほど大変じゃないと思うが、スケジュール拘束はたまにあるらしいぞ。』


『そっか、ならやっぱやめとく…』


何故綾が迷ってるのか意味がわからなかったが、とりあえず諦めたようだ。

丁度その時だった。前の方で1人の女生徒の手が上がったのが見えた。


『先生、私クラス委員やります。』


クラスがざわついた。かなり意外な…いや、誰も予想してなかった人物が手を挙げたのだ。


『おお、佐伯か。これまた珍しい。』


石田先生も珍しいと口にした。

手を挙げた女生徒は佐伯藍那。いつもニコニコしててクラスでは割と目立つ存在だが、彼女も俺同様あまり前に出ることは今までしてこなかった。


『たまには、こう言う役はやってみたくて。良いですよね?皆さん。』


俺の時は一切なかった、賛成、アイナ頑張れーなどの声が他の女生徒から聴こえてきた。彼女はクラスからかなり好かれるタイプ。意外な立候補だったが、歓迎ムードに包まれていた。


『へえ、まさかのアイナちゃんか〜』


綾が口にした。綾もそこまで彼女とは仲良良いわけではないが、たまに喋ってるところをみる。


『そうな。意外だな。』


そう綾と談笑していると、石田先生の口が開いた。


『よーし、今日からホームルームはお前ら2人の司会な。先生仕事したいから後よろしくな』

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