第3話 ロシアの焦りと、危ぶまれるプーチンの立場

 またまた、読んでくれてありがとうございます。


 ロシアはソ連という大きな国家をつくって体制を維持していたのですが、金遣いの荒さ、その他もろもろの事情により自滅という形でなくなりました。


 さて、今回問題になっているウクライナは、元々ソ連に加入していた国でしたね。

 

 ウクライナはソ連が崩壊すると共に、ロシアから独立しました。しかし、ロシアを離れたのはウクライナだけじゃなく、多くの国が独立したのに、なぜウクライナがロシアに狙われるのでしょうか。



【ウクライナはロシアにとって1番の推しだった】

 ロシア的にはウクライナをNATO・EUにとられるのは、とても痛手になります。

 なぜなら、ウクライナは元ソ連加盟国の中で、「2番目に人口が多い国だったから」です。


 つまり、ウクライナはソ連ではナンバー2的な存在であり、ロシアとしては1番の“推し”だったわけですね。

 

 そんなウクライナでも、「EUに入るか、元カレのロシアと仲良くするか、どっちにしよう」と揺れていました。


 EUとしては、仲間が増えるのは嬉しいので、ウクライナを歓迎していました。

 

 そして、ウクライナがEU・NATOに入るか、入らないかのところまで来たときに……出てくるのが、あのP大統領です


P大統領「いいか、ウクライナ。EU・NATOに入ったら、ぶん殴るぞ」


 このようにロシアが圧力をかけてきたわけですね。


 ウクライナ的には経済的に潤っているEUに入りたい。しかし、ロシアとしては、1番の推しであるウクライナがとられるのは嫌です。しかも、ロシアとウクライナは位置的にも隣接しているので、国防という観点からもウクライナをEU・NATOにとられるのは恐怖です。


 だからロシアとウクライナは、このような背景から情勢が揺れており、今回の戦争は今に始まったわけじゃないんですね。




【危ぶまれるP大統領の立場】

 ロシアがウクライナをNATOにとられると、国防が危ぶまれるから、圧力をかけて阻止しようとしていた、というのがわかってくれたかと思います。

 しかし、これは“国防”という観点、つまりロシアという国の都合のお話ですが、ロシアの大統領の思惑も働いています。


 ロシアの大統領といえば、あのPさんですね。まあ、プーチン大統領のことなんですが、プーチンは20年以上もロシアの大統領に君臨し続けている男です。


 さて、日本だと総理大臣はコロコロ変わるし、アメリカでも大統領の任期は4年で連続2回まで、つまり最長でも8年までと決まっています。

 このように、いわゆる“民主主義国家”というのは、特定の人物が政権を握り続ける独裁国家にならないように、定期的に選挙を行ってトップを入れ換えています。


 世界的にも民主主義が広がっている一方で、ロシアは2000年から現在にいたるまで、プーチンがトップに君臨し続けています。


「じゃあ、ロシアは独裁国家なの?」という声も聞こえてきそうですが、ロシアは名目上は“民主主義国家”です。

 とはいえ、プーチンが政権を握り続けているので、民主主義が正常に働いているとも言いがたいですね。なので、例えるなら「ロシアは民主主義の皮を被った、独裁国家」と私は思います。


 それでは、プーチン大統領がどのような人物なのか見ていきましょう。


 プーチンは元々、KGPというロシアのスパイ組織の諜報員でした。つまり、ジェームス・ポンドが大統領になるみたいなものですね。


 2000年にプーチンが大統領に就任すると、国内の石油会社を国営化します。


 石油ってアラブのイメージがありますが、ロシアも結構石油がとれるんですよ。プーチンは国内でとれる石油をドンドン輸出して、お金を稼ぎ、ロシアの経済を好転させました。


 なのでプーチン大統領の人気はメチャクチャよくなります。

 

 そしてプーチンはたくさん稼いだお金でテレビ局を買って、プーチン大統領の悪い面は報道できないようにしました。


 日本のテレビは総理大臣を批判するような報道が多いですが、これは日本の政治家が劣っているわけではなく、国が報道を規制していないからなんですね。


 国の財政をよくしたうえに、石油で儲けて、テレビではプーチン大統領の悪いことは言わないので、支持率は上昇していき、その勢いは衰えません。


 とは言え、ロシアの大統領の任期は4年で、連続2回までと決まっていました。そこで、プーチンはどうしたかと言うと……


プーチン「俺の任期がもうすぐ終わるから、メドヴェージェフ、大統領してよ。俺が首相になって裏からサポートするから」


メドヴェージェフ「うん、いいよ」


 このように、一旦メドヴェージェフという別の大統領を置いて、自分は首相という形で、政権を握り続ける、という荒業にでます。そして、メドヴェージェフの任期が終わると、またプーチンが大統領に返り咲きました。

 しかも「大統領の任期を6年、連続2回まで」というふうに、任期を伸ばしたのです。


 こうして、プーチンは2000年に大統領になって、一旦メドヴェージェフをおいて、2024年までの独裁状態を確立させるという、ものすごい事をしました。

 

 今回の戦争はプーチン大統領の任期があと2年で終わる、というところで起きたんですね。


 さて、民主主義国家でありながら独裁状態を維持し続けた、プーチンですが、時代が移り変わると、状況も変わってきます。


 というのも、プーチンはテレビ局というメディアをおさえて、都合の悪い事は報道できないようにしていました。情報操作によって支持率を維持するという、元スパイらしい手腕を発揮するわけです。

 しかし、時代が進むと新しいものが出てきました。


 それはインターネットです。


 ITの時代が訪れて、2010年ごろからスマホが普及しはじめると、誰でも自由にインターネットにアクセスして、好きなことを発言できるようになり、流石のプーチンでも情報を操作できなくなってきます。


 すると、インターネットでプーチンの悪いところが見れるようになるので、絶対的な支持率を誇っていたプーチンの支持率が落ち始め、ロシア国内で反プーチンデモが起きるようになってきました。


 さらに他の国々はどんどん民主主義になっている中、独裁権を握っているプーチンへの当たりは強くなっていきます。


・インターネットの普及で情報操作が難しくなってきたことにより、デモが起きるようになった。


・民主化の流れ。


・NATO・EUに仲間がどんどんとられていく。


 このような点から、ロシアの独裁権を握り続けているプーチンの立場が揺らぎはじめ、国防という観点からもこれ以上、仲間をとられたくない。

 だから、ロシアとしてはウクライナをとられるわけにはいかないのです。

 

 こうしてロシアはNATOに入ろうとしているウクライナを軍で脅し、ついに武力を行使してしまったというわけす。



【最後に】

 今回、ロシア・ウクライナ問題の解説をさせてもらったわけですが、「世界情勢を男女の関係で例えるのに、違和感を覚えます」というコメントをいただきました。


 個人的に「Twitterの引用なんだけど」という言い訳が、心に浮かばなかったかといえば嘘になります。しかし、このようなご指摘をいただくのは、当然の事であり、確かに詳しい方から見れば、私のつたない解説はツッコミどころ満載かもしれません。


 しかし、一方で

「なんで、ロシアはウクライナを攻撃したの?」

「NATOってなに?」

「ニュースは専門用語ばかりでわからない」


 という方々が多いのも事実です。なので、私の解説は詳しい人向けじゃなく、世界情勢がよくわからない人のために、内容を噛み砕いて、わかりやすく要点をまとめたものです。

 なので、よくわからない方のために「元カレ元カノ」という、人間関係に例えたツイートを引用させてもらったというのは、ご理解してもらえるとありがたいです。


 世界平和を一人一人訴えていくためにも、多くの人が情勢を理解するべきだと考えていので、今回筆をとらせていただいた訳です。


 今後、ロシア・ウクライナ問題がどこに向かうのかはわかりません。これ以上戦いが広がらないのを願うばかしだし、ロシアは世界最大の核保有国でもあります。

 

 世界平和という観点からも。第2、第3の広島、長崎のような街が出ないことを心から願っています。


 


 またこの解説は、現在YouTubeで活躍している中田敦彦氏の『ウクライナ・ロシア情勢』という動画を参考にさせていただきました。


 少しでも早く皆様に情報を届けるために、あっちゃんの言葉をそのまま書いている部分もたくさんあります。

 しかし、あっちゃんの動画は私の解説以上に詳しく教えてくれるので、興味がある方、もっと知りたいという方は、ぜひこちらを視聴してみてください。


 素人のつたない解説でしたが、ここまで読んでくれて、ありがとうございますm(_ _)m 


 








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