第2話:子供を育てる難しさ ②

なぜなら、幼少期からいじめや虐待を受けてきた人はいじめを受けた事がない人よりも人に対する愛情の注ぎ方が苦手で、我慢する事が習慣化している可能性があるため、その習慣を崩せないと育児のストレスをためてしまう、ストレスを発散することが難しいなど自傷行為が始まってしまう懸念や結婚していたとしても人に対する不信感などこれまで本人が受けてきた事を思い出してしまい、突発的に出る可能性があるのだ。


 そのうえ、これらの経験による心理的恐怖は子供の頃にいじめを受けるという“体験・経験”に留まらず、成長過程においても個々の個人的価値観を形成する上で良くも悪くも心理的に干渉する側面があり、その心理が子供たちにも伝わってしまうため、親の心理を子どもが継承してしまう可能性が否定出来ない。


 そして、親が暴力や周囲からいじめを含めた嫌がらせなどを受けている姿を見ている子供たちが第三者に対して攻撃的になることや親が神経質になる事で自己判断が出来なくなるなど影響も大きくなる。


 私は子どもを育てる事は大変なことである反面、子どもがいるというのは何かあったときの心の拠り所(よりどころ)になることもあると思っているし、子供たちが成長することで自分が頑張っていることを自分で認識して、自信に繋がることもある。


 ただ、1番恐れなくてはいけないのは“報復心理”という自分のやられてきたことと同じ事を子どもなどにやられたときには自分が身を犠牲にしても何かしなくてはいけないという1つの忠誠心に近い心理が働くことも十分にあり得るため、そこでフラッシュバックや他者攻撃性が高くなることは十分に考えられる。


 もちろん、この行動をするには自分の社会的地位を失う覚悟でやらないといけないため、やり方を間違えると自分だけではなく、周囲も大変なことになる。


 私は幼少期にいじめを受けていた人が親になるときに必要な考え方として①周囲との交流・②1人時間・③家族の理解などが大事だと思う。



まず、①周囲との交流について話してみたい。


私は今の時代だからこそ周囲と繋がることが大事な事だと思う。


なぜ、この事が大事かというと子どもだけを見ていると、視野が狭くなり、目の前のことで精一杯になった時に自分をコントロールすることが難しくなってしまう。


また、フラッシュバックが起きたときに自分の感情にブレーキがかけられなくなる可能性があり、周囲と交流する事で子育ての知識を得ることも出来るし、何かあったとしてもアドバイスをもらいやすくなる。


 そして、万が一自分をコントロールできなくなることや感情にブレーキが掛からなくなった時に人と繋がっていく事で一線を越えることなく落ち着く事が出来る可能性や危なくなったときにその人の顔を思い出すことが出来るなどメリットが多い。


 今は社会的価値観が根強く残っているため、子育てをしている人に対して差別的な見方や偏見を持つ人も少なくない。


 これらの行為がこのような人たちにストレス過多の状態を引き起こし、社会的孤立に追い込み、過去をフラッシュバックさせやすい環境を作ってしまうのだ。


 社会において共通的価値観を持っている人は多くないし、場合によってはいない可能性もある。


 その中でも“誰かに支えてもらっている”という気持ちがストレスを軽減させて、子どもに対して虐待などの暴力を減らす抑止力として働くことも十分にあるのだ。


 今は社会状況により人と接触する機会が減少している。


 だからこそ、外から子育てをしている家庭を周囲の人たちがフォローし合うことが出来るよう、つながりを持つことが大事だと思う。


 今はいろいろな親子の形があり、その家族の形が時にあらぬ事態の引き金を引いてしまう可能性もあるのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る