光に護られし石碑

動く度にキラキラと輝く粒が、その硝子をかたちづくっているのである。

光の化身はその御心を決して誰にもささやきはせぬ。

故に、我らは今日けふのそのお方の御心を、日の出の顔色にてお察しするのである。


恐ろしき黒雲と共に日が出ると、その日の御心は大変悲しみに満ちているのである。

そのようなときそのお方は、まことしやかに笑む技を習得なさっている。

だがその御心に刻まれている偉大なる過去が、我らの主の心を量り知れないほどの苦痛と憂いで支配するということを、我らは知っている。

我らが忠誠を誓う主の偉大なる過去は、我らのお守りするべきまことの主の微笑みとは全く別のもの。


我らは光の御子と共に、旅をするのである。

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銀世界の童話 トてら @totetotetotete

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