第5話 移民者とホーム
「うっ!」
ティリオンとアイナが目を細め思わず
「生きとし生けるもの
「何言ってるんか、さっぱり分からへん」
アイナは何度も首を傾げた。
「つまり、人間も動物も屍となれば魔晶化できる。敵と思しきヤツらはその魔晶を手に入れるために、俺たちを襲ったということか?」
「あら、理解が随分と早いのね?」
「え、今の説明で全部分かったん?」
アイナがティリオンの袖を引っ張る。
「しかし分からないな。どうして俺たちなんだ。さっきの熊のように大型動物ではダメなのか?」
「私たちがクライアントと呼ぶ移民者たちは、この世界には無い豊かな生活のイメージを持っているため、魔晶化のエネルギー密度がとても濃くなる。その癖、精神基盤が
そう付け加えると、レッジーナは握りしめていた魔晶を懐の中に入れた。
「おじさんもうええやろ。こんなとこ早よ離れようや」
「待て、アイナ。もうひとつ腑に落ちないことがある。この世界に転送されたとき、俺たちは空中に浮かぶ穴から落とされた。保護が目的なら、初めからスタート地点にいてくれれば、お互いこんな思いはせずに済んだのではないか?」
ティリオンは魔法を扱うレッジーナに対して、まだ気を許していなかった。慎重だと言えばそうなのだが、自分の過去を振り返れば、そう容易く他人を信用できない理由が、彼にはあったからだ。
「理由はふたつ。ひとつは転送地点が多数に
ティリオンはスイッと目玉を右上に動かした。
「ああ、五〇名ほどばかりいたと思う」
「それともうひとつ、この領域を管理している男がこう言うの。『転送地点からオレたちの
「じゃあ俺たちは、その要件を満たしたということか?」
「そうね、合格よ。あなたたちは助かったのよ。これから
「やったなおじさん」
アイナの喜ぶ声にティリオンも笑顔で頷いた。
「ねえ」
レッジーナが先を行こうと前へ進みながら後ろを振り返り、ふたりにこう
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