aria’s happy end
そう遠くない内に
きっと、白馬の女神様が迎えに来てくれる
信じて信じ続けて髪を伸ばす
ああ鏡よ 私は世界一幸せなのですか
取り立てて武勲がある訳でも
傾国の美人でもないけど
夢見るだけなら
私は歪な蹄にしかなれないけれど
貴方はきっと透明な靴になる
妖精にだって好みはあるでしょう
長らく眠っていた王女様
誰にも起こされないままで
そこの赤い頭巾のお嬢さん
私のようにはならないで
ブチ馬の王子様はいない
恋された人魚もいない
アヒルに憧れる白鳥もいない
詰まるところ、そういうことでしょう
醜いのがなんだ
これが私なんだ
灰の化粧とボロボロの服
見るも無惨な髪に
他人を陥れる大鍋
見守る妖精も動物もいないaria
地位も名誉も私だけの価値
取るに足らな過ぎて
マッチ売りすら近寄らないまま
寂しげな笛をふたつ
余りに酷くて
池から斧が投げられた
何も生み出せないカエル
財産にも王にもなれなくて
生き延びれるほどの
話術もネタもなくて
ハッピーエンドは売り切れ
これだけが私なんだ
泡にもなれない
猫はしゃべらない
可視化する服
目も向けて貰えないaria
ヒールを高く鳴らして
静かに本を閉じる
私のaria
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