最終話 恋を奪う悪女
あなたと私の吐息。
たまらず
切なく漏れた。
自分のものじゃないみたい
艶かしく甘ったるい喘ぎ。
あなたを掻き立ててる。
重ね合わせた肌
しっとりと汗ばんでる。
二人の差し迫った息遣い
ただ部屋に響いて。
背中に爪を立て
あなたが揺れるたび
快楽の波に溺れる。
何度こうして
抱いて
何度こうして
抱かれて
くちびるが触れるたび
指先が絡むたびに
頭の先から足の先まで
駆け抜ける。
気持ちよくて満たされて
時には襲う
痛く鋭い
快感。
私が確かな愛情を感じる
あなたの好きなトコ
達したあと。
首筋に
鎖骨に
太腿に
口づけの跡
つけられてた。
確かな
夢の跡。
愛おしげな顔して
私の髪を撫でる顔、
眠る前のキス。
腕枕と
絡めた体
あなたの熱い体が
ほかほか暖かい。
少し眠って
また愛を確かめ
あなたは私に刻むこむように
幾度も抱きしめ一つになりたがる。
口に含む、甘く噛む。
舌で這わせて、私をよろこばせ
苦しそうで
気持ち良さそうで
嬉しそうで。
愛とか
好きとか
届く
満たされる。
深い場所まで
深く
深く
繋がる。
奪い取った快感が
さらに
私を高揚させる。
他の
手に入れた
私のものになった。
次は誰を私のものに
しようかしら。
おわり
恋を奪う女 天雪桃那花(あまゆきもなか) @MOMOMOCHIHARE
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。