第9話

「はぁ!?魔法使い!?はぁー、流石あの邪竜を倒した英雄、やることがちげぇわ」


まぁ、そうなるわな…

でも、これで俺が邪竜を倒した事が有名になるのでは…?


つーかこいつ何者だよ、明らかにただの冒険者ではないよなぁ…?


「お前は何者だ?」

「俺か?俺はSランク冒険者"拳聖"だ」


なるほどねSランクか、それなら納得だわ

にしてもSランクがあんな台詞を言ったと思うと中々にシュールだな…


でもこれで教会を…!

あれ?でも教会を潰すことは出来ないしどうやってクズを処分しようか…


えっマジでどうしよう…


ーーー


(うーん女神様、できるだけ頼りたく無かったけど何とかしてくだせぇ!)

ー私の為にやってくれてることだし…いいよ!ー


(えっ…いいの!?)

ー全然良いよ!英雄になるために直接的な手助けさえしなければOKだから!ー


(思ってたより緩い!)

ーうん!だから一斉に真の教皇は竜殺しの男です!って神託を出せばー


(いえ、あの元勇者のエルフさんを指名してくれません?自分は英雄にならなきゃなんで)

ーうーん、君なら大丈夫なんだけど…その子は元勇者だけど歴史から消えちゃってるし厳しいかなぁー


(…じゃああの元勇者を目立たせたら?)

ーいけるね!ー


(分かりました女神様…一週間後に一斉に神託を出して下さいそれまでにあの元勇者をもう一度勇者に仕立て上げます)

ーい、一週間?速くない!?ー


(大丈夫です、一瞬で終わらせますよ)

ーどうやって?ー


(勇者の聖剣をあの元勇者も使えるってアピールしますこれなら第二の勇者として有名になるでしょ)

ーなるほどね…よし!君を信じて一週間後、第二の勇者を教皇にするように神託を出すね!ー


(ありがとうございます!やっぱり女神様は最高です!)

ー照れるなぁ!ー


ーーー


「おい、"雷光"また暫く居なくなるから魔力の渦を体に作っとけ、いいな?」

「分かったわ師匠!」


うーん魔力を捻る訓練が効果出過ぎてめっちゃ従順になったな…


でもまぁ、面倒くさい説得がなくなったからいいとするか!


ーーー


「なんなんじゃ!?儂をどこに連れて行くのじゃ!

というか喋らんか!」

「お前を勇者の所に連れていく、勇者の聖剣の師匠になる」


「なっ…じゃが儂が生きている事が知れれば教会が黙っておらんぞ!?」

「うるせぇ!その教会を黙らせるためにお前が師匠になるんだよ!」


「なっ…儂を…この儂を助けるつもりか!?」

「まぁ、(結果的には)そうなるな!」


「そうか…ふふ、そうか…!」


なんか急にニヤニヤし始めたぞ!

キモッ!

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