#46 まさか、この神社が?

「行事の人員不足は、ある程度解消できるでござる」

「メロン、もしかして」

「拙者と乃鈴様が所属するアンサーズのメンバーに依頼する」

「アンサーズ? どういう組織なんだい?」

「正式名称は問題解決部。要するに今回のような事態には欠かせない、強力な助っ人たちでござる――強力な、助っ人であると、信じたい」

「へえ? 面白そうじゃん! 早速、お願いしようよ!」

「良いのか? メンバーの一部には、お手洗いの鏡に頭から突撃して、壁に嵌っているようなヤツもいるのだぞ? 助っ人どころか、迷惑をかけるかもしれぬ」

「あはは!」

「どう考えても笑える話ではないのだけど」

「まあ、万が一神社周辺を警戒するようなことが起きたとしても、あの答想探偵は警備以上のことをしてくれるだろう。ここは、毒を以て毒を制すということで、九十九歩亜郎――可能であればアンサーズ全体に今回の件を依頼したいものだ。いかがですか、乃鈴様?」

「乃鈴はもちろん、了承するの!」

「まあ、あなたならそうおっしゃると思っておりましたが……」

「乃鈴は随分アンサーズとやらを信頼しているのね?」

「だって、皆優しいの!」

「そう――良かったわ、乃鈴にお友だちができて」


 書子はそう呟きながら乃鈴の頭をゆっくりと撫でる。従姉に頭を撫でられた乃鈴は、気持ち良さそうに目を細めていた。


「では早速、部長の的当に連絡しよう。神社からの正式な依頼として報酬も――」

「あら~、皆お揃いなのね~」


 デカメロンが的当に電話を掛けようとしたとき、部屋に一人の女性が入ってくる。乃鈴の母、都処だ。彼女は真っ先に砂雄と書子の前へ駆け寄ると、二人を抱きしめた。


「お帰りなさい~、久しぶりの四季市へようこそ~」

「都処さん、苦しっ」

「あらあら~、強すぎてしまったかしら~」


 都処は二人を解放すると、佇まいを整える。そして、電話を掛けようとしていたデカメロンを制止する。勝手に神社からの依頼という形にしたのが間違えであったのだろうか。デカメロンは、彼女の話を聞くことにした。


「メロン君が頼まなくて、良いのよ~」

「何故です?」

「今回の件は、読神神社からの正式な依頼として、私がアンサーズにお願いするから~」

「なんと! 都処様自ら!」

「そうよ~」

「お母さま、何か理由があるの?」

「実はね~、狙われていることが判明したのよ~」

「まさか、この神社が?」

「正確には――あなたたちが狙われているのよ~」


 その言葉を聞いた乃鈴と書子。二人には大きな心当たりがあった。


「ガイアコレクションが、あなたたちの世都内界アニマ・スフィアに眠る、聖解を記した本を狙っている――四季市警察の捜査で、それが明らかになったのよ」

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