第11話・楡崎 射手の場合③

 体育館のシャワールームで淫らに愛し合った、亜夢と射手は身支度を整えて外に出てきた。

 強烈な快感に足腰が震えている、射手に肩を貸して立たせている亜夢が言った。

「少し激しすぎたか?」

 高揚した表情で微笑む射手。

「大丈夫だ……ありがとう、オレの心を開放して救ってくれて」

「そうか」


 亜夢は、二人が出てくるのを待っていてくれた真魚を指差して、射手に言った。

「行ってやれよ、ずっと前から気づいていたんだろう……真魚の気持ちを、男同士で愛してやれよ」

 射手は亜夢から離れると、真魚に近づき抱擁して唇を重ねた。


 亜夢は、静かに射手の心格夢から紫炎の肉体が眠る現実へともどる。

 全裸で眠っている紫炎の掛け布団をめくると、紫炎の下半身は連続した放出でカピカピに乾いていた。

 眠る紫炎に詫びる亜夢。

「ごめん、少し淫夢が過激すぎた」

 そう呟いて、紫炎にキスをすると、コウモリの翼を広げて紫炎の部屋から、夜の町へと飛び立って行った。


楡崎 射手の場合~おわり~

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