第4話 暴力団VSギャング
渋谷のドン・キホーテの裏にある「旬」という魚屋で龍寺は働いていた、親父が残した遺産は魚屋とボロい軽ワゴンだった、借金は無かったが貯金も少なかった。
半年前の抗争を期に龍寺は名前を売り、魚屋には相談者が集まったがコロナ禍の不景気に拍車を掛け、売上はあがなかった。母親は「相談客に魚を売れ」と言ったが相談客が魚を買おうとすると「いいのよー」といって断ってしまう、老人は老人に優しいのだろう、目の前に利益が転がっているのに。
サバを捌いていると「龍寺君はいるかね?」と町内会長の岸さんが杖をついてやって
きた、岸さんは知る人はしる、渋谷薬物事件でスローから殴られ入院していた。三日目に退院したことは母親の話で知っていた。母親は丁寧に岸さんを椅子に座らせ「ちゃんと聞いてあげなよ」と耳打ちをし、奥へ引き下がった。
「老人は老人に優しい」と独り言を呟き岸さんと目線を合わせた。
「龍寺くんこないだはありがとう」と頭を下げ、早速といわんばかりに相談内容を
打ち明けた。
相談内容は道玄坂のホテル外で違法な性行為をしている韓国人があとを絶たないという、岸さんが言うには「それは生きるためだから仕方ない」と言っていた、では何が問題かというと、韓国人からあがりをせびる暴力団体がいるということが問題だろいう、龍寺は頭を抱えた、こういう職種のは暴力団がバックにいるのが当たり前だと思っていた、小学校では習わないが小学生でも知ってる事実だ、1+1=2くらい簡単なことだと龍寺は思った。
岸さんが言うには違うということだ。3年前は暴力団体側が6割、立ちんぼが4割だっのだが今年に入って立ちんぼ側が1割となったという、消費税と変わらない。
稼げなくなった韓国人は万引きやら個人で客を引くようになり、ホテル街の治安が悪化したという、一昨日ゴミ捨て場に傷だらけで裸の女性が捨てられていたという、岸さんの話では3年前からホテル街で立ちんぼをしている「李」だという。
李は一人で10万以上稼ぐことで有名だったが暴力団からのあおりで稼ぎは二万円に落ち込んだという、生活ができなくなる寸前だった李は個人で取引をすすめ、売上が伸びた、それを許さなかったのが暴力団で李をさらい。有り金全てを取り、小指を切り落とし、ゴミ捨て場に捨てた。警察も動くと思われていたが不法滞在者だったため後追いをしなかった。岸さんは李と付き合いも長くなんどかお世話になってたという、岸さんは75歳になるというのにお盛んだ。
李は貯金を頼りに韓国に帰ったという、岸さんは最後にもう一発お願いすれば良かったと言ったが龍寺はそれをスルーした。話を聞き終わり、天童会の若頭大地に電話をしたが「俺達はかかわってない」と電話を切られた。
龍寺の見立てからしても天童会は関わっていないだろうと思っていた。渋谷は3つの暴力団体で構成されている、一番力をのつのが千春の兄貴がいる天堂会、二番目は商業ヤクザと言われていてシノギは天童会より上だと言われている竜宮一家、拳だけでのし上がってき健二郎組、一番怪しいとされているのが健二郎組、渋谷で頭角を表す前まで六本木でシノギを削っていた、強姦、殺し、窃盗は昼飯まで渋谷に進出してきたときも周りから怖がられていた。
今回に龍寺のターゲットは健二郎組だ、詳しい話を岸さんから聞いて岸さんは自宅へ帰った。問題は龍寺が全て預かることにした。
翌日、渋谷の王を呼び出し岸さんのことを相談すると「俺もそこの組織気にいいらなかったんだ」と苦笑いを浮かべた。
ターゲットは健二郎組の若頭新戸部だ、新戸部は男性好きで渋谷では知れ渡っていた、小学生の男の子を借金代わり預かっては性処理に使っていた。
組の前で歩いていた小学生が拉致られてたという情報が入ったのは本田にあった、2日後だった、知らせたのは事務所前に張っていた近藤で二日間家にもかえらずにはっていたという、小学生は本田が吊るした餌だった。
近藤と龍寺はドン・キホーテの前で合流をし車の乗り込んだ、新戸部が連れ込んだのはホテル街にある一軒家だった、子供の鳴き声が聞こえる。
「おかあさーーん」と泣いているのが外にまで聞こえ通行人が対象となる家を一瞬みて駅に向かう、朝のサラリーマンは冷たい、子供が泣いていても見向きもせず駅へ向かう。
近藤がチャイムを鳴らすが新戸部は出てくる気配がない、子供の鳴き声は聞こえるのに関わらず居留守を使う新戸部、本田がしびれを切らし玄関を5回蹴り玄関の扉を蹴り破る。扉が壊れ部屋の中に向かう三人、リビングと思われる部屋に男児が裸になり泣いていた、ちょうど新戸部がシャワーを浴びて出てくるところだった、驚愕の顔で「なんだ」と叫ぼうとした瞬間本田のブローが体に入って新戸部が倒れた、紐で足を固定させ体育座り格好をとらされる。本田はナイフを首元につけ「今までの事を書け」と脅した、今までというのは小学生の男児に手を出したことだ。
書き終わった髪をポケットにしまい、新戸部の手も固定し一軒家を後にし、渋谷の駅前で少年課の鈴木と落合い新戸部の手記を渡した。鈴木は不思議な顔をしたが何もなかったように渋谷署に鈴木は後にした。
この後はみんなが知ってる通り新戸部は18人の男児と関係を持っていて、のち八人が誘拐していた男児だったという、新戸部は「女じゃ我慢出来なかった」と供述して渋谷を激震させた。
小学生は親付き添いの登校が目に増え、未だに小学生を一人で見かける機会はなくなった。
渋谷物語 興梠司 @asahina0606
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