第3話 渋谷に王はいない

半年前、日本を震撼させた渋谷原宿抗争、渋谷近辺で遊んでいるキッズは鮮明に覚えているだろ。原宿のギャング「ビロード」が渋谷に乗りこんできたというおっかない話、抗争は終わらないと思われていたが魚屋の「旬」の倅が見事に抗争を終わらせた。


街中では渋谷は誰が仕切るのだという話で盛り上がっている、順当でいけばメタリックの本田でなければならないが、龍寺が仕切れという話も持ち上がっている。

スローの幹部逮捕の話も龍寺が絡んでいると渋谷で噂されていた。

龍寺はどうでも良かった、渋谷を仕切るなどそんなことは考えていなかった。

抗争終結依頼、龍寺への相談はやむことはなかった、メタリックは

相談料に一回2000円取るのだが龍寺がお金を取ることは無かった。

その代わり相談を解決するかは龍寺しだいということになっていた。


「龍寺、暇か??」

今日は相談者がいなく龍寺はエビの皮もむいてる頃ききある声がした。

暫定渋谷のキング本田出会った。

「なんの用だ?」

「相談のってくれ」


相談??渋谷の王が相談??明日雪でも降るのかと龍寺は空を見上げたが

晴天だった、それはそうだ、今は真夏だ、魚がすぐ腐る真夏だ。


二人は近くの公園に向かった、公園では本田の手下がブランコに乗った。20歳にもなる手下が何をやってるんだとブランコを見た、手下は笑顔だが110番にでも不審者通報されたらどうするんだろうか。


「本田、相談ってなんだ??」

「そろそろ王を決めないか??」

本田が拳を龍寺に差し出すが龍寺は呆れ手をひらき本田の拳を包み込むと本田が舌打ちをする」。


本田は六本木、新宿、池袋から渋谷の仕切るやつを決めろと言われている、2週間で決めなかれば新宿のギャングが流れ込むという、新宿のギャング「肋骨」は新宿のメインになりギャングだが肋骨にも止めれない新勢力「真改(しんかい)というギャングが渋谷に入ってくるという、新勢力が入ってきたらまとまるものがまとまらなくなる。龍寺に相談しても「俺には関係ない」の一点張りだった、たしかに龍寺には関係ないのかもしれない。

龍寺は剃刀というださいグループに入っているが活動はしていない、本田とはつるんでいるがメタリックなどのグループの付き合いはホコリ一つない。


「なんで、渋谷の王にこだわるんだ?渋谷は誰のものでもない」

「そんなのわかってるよ、周りがうえるせーんだよ」

今度は龍寺が舌打ちをする、周りといっても箸にも棒にもひっかからない者たちばっかだ、龍寺も中卒で「旬」を継いだ、親父が店を残してなかったら龍寺も渋谷に戯れるキッズたちみたになっていただろう思うことは多々あった。

こういう組織は上下をつけたくなる、上下をつけないと気持ち悪くなり。

ここで龍寺が本田に勝てば、周りのギャングたちが流れ込んでくる、本田が勝てば

周りたちのギャングは黙って渋谷を見守ることになるだろ。

本田が渋谷のキングになれば誰も文句はない。

龍寺はタイマンを受け入れた。2日後の17:00、代々木公園となった。


龍寺は軽く考えていた。そんなに人数は集まらないだろうと、半年前の抗争を超える人数が代々木公園を囲った、警察も推定すると抗争よりも多かった。

誰しもが渋谷の王決定戦に釘付けだった。

千春の兄大地も公園に訪れ、本田にこてんぱんにやってしまえと火種をつけていた、

なんでだ?千春と付き合ってるのは俺のはずなのに。。


奇跡の対決は17:00ちょうどに火蓋が切られた、このときは本田も遅刻してくることは無かった。本田の拳が龍寺の顔面にはいる、鼻の骨が折れた気がした。

次にボディーに拳がはいり龍寺は仰向けに倒れ本田が上に乗り「本気でやれ」と耳元で呟いたが無視を決め込み、本田に殴られ続けた。


タイマンは10分で決着がついた、本田の圧勝だった。止めに入った近藤まで殴られ近藤にスイッチが入り近藤と本田の殴り合いが始まりそうだったが、龍寺が近藤を止めた。


タイマン後本田は新宿のビルの一室にいた、新宿、六本木、池袋、錦糸町の会合の中

本田は真ん中に立たされていた。

「勝ったのは本田か」

頷く本田、タイマンの勝敗は全国各地に20分ほどで知れ渡った。

渋谷=本田となるまで20分もかからなかったのだがこの勝敗に錦糸町のボス、ダニエルが意をとえた。

「龍寺は本気で本田をやっていない、本田を顔役としてお仕上げ」と本田も認めざる負えない状況であったが、ここで認めたら全て水の泡になると思い、ダニエルの言葉を左か右へ流した。


「結果が全てだ、ここには本田がきている、これから本田が渋谷の王だ」

と新宿をしきる、祐也が声に出した。

「ありがとうございます」と頭を下げ本田は新宿を後にした。

3日遅かったら、新宿からギャングが流れ込んでくるところだった、本田は龍寺に救われた。本田も渋谷にキングはいらないと龍寺と同じことを思っていた。

「キングなどクソくらえだ」と呟きサイドミラーを下げた。


タイマンから二日後龍寺はイカを捌いていた、母親からは「情けない」といわれ近所からは腫れ物を見る目で見られていた。彼女の兄貴からが護身用だと警棒を渡された。わざと負けたとわかっているのは近藤と千春だけだった。本気で龍寺に挑んで勝てるものなどいないと思っている。


龍寺はなんと言われようが渋谷に他のギャングが来なくて良かったと思っている、半年前のような抗争がないことを願っている。

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