第2話 町内会対ギャング
「龍寺さん、少しお話聞いてくれんかのう」
龍寺が働いている魚屋「旬」は渋谷のドン・キホーテの裏にあり、親父が残した魚屋を引き継いで魚屋を営んでる。酔っ払いにぼったくる魚屋で有名だとネットに書かれいたが、半分本当だからなんとも言えない。
話を聞いてといってきたのは近所で和菓子屋を営むフクさんで、戦時中からこの渋谷で和菓子屋をいとなんでいる。
「フクさんどうした??」
「最近の若いものののゴミ出しなんとかならんかのう??」
なんとかとはなんだ??不燃ごみを燃えるゴミに出しているとかだろうか??
龍寺は魚を捌きながら頭を抱えた。渋谷、原宿抗争を終結させてから若いものから老人まで龍寺の方に相談がやってくる。若者が騒いで寝れないやうちの子が夜遊びして帰ってこない、彼氏が浮気しているかどうにかして、など小さな相談が主だが相談がひっきりなしでやってくる。
「三丁目のクレストビルあるだろ。。あそこゴミの日に注射器が転がってるんじゃ・
注射器、、、クレストビルは最近渋谷で顔を効かせてるギャング「スロー」が入ってるので覚醒剤でもやっているんだろと思った。
渋谷に老舗ギャングメタリックでは覚醒剤はご法度だ、暴力団も含め上辺はみんなご法度にしていて裏では覚醒剤をいじっていることがほぼだが、メタリックの代表、本田が付き合っていた彼女、ありさが覚せい剤で亡くなってからメタリックの中では暗黙の了解で禁止となっていた、ありさは「スロー」から覚せい剤を買っていたが、本田には黙っていた、亡くなってからすべてを知った本田はスローに殴るこみをかけようとしたが龍寺にとめられた。
スローは渋谷で知られるほどの武闘派で以前メタリックと抗争になった原宿の笹田をタイマンでのし、笹田は「スロー」の傘下に入ったという。笹田は絶対的な力を手に入れ錦糸町を攻めにいったという。
今回はギャング同士の話ではない、町内会が怒っている、フクさんは町内会長と仲がよく町内会に岸さんに相談をしにいったという、岸さんは警察に相談に行くといい警察に相談しに行った、その夜中に岸さんは襲われた。キャバクラ帰りだった。
キャバクラ帰りで気が大きくなった岸さんは夜中にゴミ出ししていたクレストビルの住民に注意をした、岸さんは運が悪く注意された人間はスロー所属で覚せい剤をいじっている人間で岸さんを襲った。岸さんは意識不明で救急車に運ばれ現在も意識不明だという、岸さんはいつを冷ますかわからない。
フクさんはそのことも心配にになり龍寺の所に訪れた、町内会全体で岸さんのことは心配してるし、スローのことが気になって夜も眠れないという相談だった。
龍寺はフクさんの話を聞いた夜千春の兄貴、大地に電話をした。
「なんだ龍寺?千春と結婚か?」
「違います」
大地は妹の千春と結婚させたがる、千春とは2年付き合っているが結婚という話はまだ出ない、今回は結婚の話で大地に電話をしたわけではない。
「スローってどうやって覚醒剤仕入れてるんですか?」
「なんだ龍寺、シャブやりたいのか」
なんで俺がシャブやるんだよと思いながら岸さんの話を大地にした。
大地もこの辺りで生まれ育っているのでフクさんも岸さんを知らぬ中ではない。
岸さんが襲われたのは大地の耳にも入っていた、天童会とスローは抗争寸前で危険佛子ととえていた、大地からすれば、龍寺が間に入ってスローが解散してくれればそれで良いと思った。
大地は龍寺にスローの話をした、スローのリーダー黒岩はシャブで新宿を締めて渋谷に流れてきたという、今の新宿の覚醒剤は全てスローから流れている。黒岩は渋谷のシャブも全て黒岩で仕切ろうとしていた。大地からしたら渋谷に覚醒剤を入れたくなかった、覚醒剤をいれればしのぎには困らない、覚醒剤を捌けばお金にもなり生活にも困ることはないが、天童会の会長土方はシャブを扱うことを嫌った。
覚醒剤の話を土方日持っていくとその場で小指を落とされるのは有名な話だった。
「龍寺どうするんだ」
大地の知りたいところだったが龍寺はのんきに「まだ、なにもきまってません」と言いながら電話を切った、自分の欲しい情報がとれれば後は関係ないとういう都合のいいやつ。
二日後の土曜日、クレストビルの前では町内会指導のデモが始まった。
「渋谷から覚醒剤を排除ー」「渋谷から暴力団を排除ー」
と老人たちが拡声器をもってビルを取り囲む、フクさんたちは学生戦争を経験しているのでデモなんて昼飯前だった、何時間でも同じ場所で声を上げることができる。
しびれを切らした、坊主が町内会の人たちに言い寄るが町内会の人たちも坊主に言い寄る。一般の人たちが良い寄り合いを囲み気まずくなった坊主が「どけよ」といいクレストビルの中に入っていく、このデモは一週間続いた、老人は忍耐力が高い、この事が正義だと思えば相手が逃げるまでデモは終わらない。
龍寺はデモをしている間覚醒剤が好きな宇河に会うことにした。宇河は案の定スローから覚醒剤を引いていた、宇河が引いてのはデモのときに出てきた、坊主の原だった、龍寺は原の連絡先を聞き宇河と別れ、盗撮を趣味にしている博士を呼んだ。
博士(はかせ)はもちあろんあだ名で本名はひろしだが博士と呼ぶと喜ぶので博士と呼んでいる。博士は呼び出しから5分でルノアールにやってきた。
博士にことの説明をした、「覚醒剤の受け渡しのところを盗撮してくれ」というのが博士に与えた任務だった、もちろん受ける相手はわからないようにと添えて
龍寺は明日15時に代々木公園で売人と待ち合わせをしていた、宇河の話によると鈴木がくるだろうという話だった。
当日龍寺のYシャツのポケットにはボールペンがささっている、盗撮用のボールペンだ、暗くても撮れるようになっている高性能カメラ。
坊主の原がやってきた「アイス4gと渡してきた」アイスというのは隠語だった、龍寺は手袋し受け取った、コロナ禍の今手袋をしていても不思議ではない。
代々木公園での売買が4回目になるころ、近藤から新しい情報が入ってきた。
2日後エクセルホテル1209号室でスローと六本木の不良団体の取引が行われるという。
龍寺たちは今まで仕入れた覚醒剤を紙袋に詰め込んで適当に切ってをはり
渋谷署に送り、声を変え少年化の鈴木に電話をした。
「2日後15:00 エクセルホテルで薬の取引がある、逮捕しろ」とだけ残して電話を切った、きっと鈴木なら動いてくれるだろうと思った。
2日後博士と一緒にエクセレントホテルの入り口にいた、龍寺はサングラスに帽子、博士は帽子にマスクにサングラス、博士のほうが変装がめだっていたが、原たちには気づかれなかった。 周りには警察関係者とみられる人物も多数いたが、警察関係者が入る前に原たちは部屋にはいっていたので原たちは警察関係者がいることは知らない。
10分後スーツを着た大人たちに囲まれ運ばれてきた、原と六本木のリーダー、原は歯を噛み締めながら連れて行かれる。
この事件が終わり、スローは解散した、原がいなくなったスローは機能しなかった。
風のうわさでは六本木のグループはメタリックが吸収したという、メタリックはまた一つ大きい団体となった。
デモはというと逮捕されてスローの連中が引き上げたのでデモも終止符が打たれた。
平和な渋谷の裏通りが今日も君をまっている。
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