グルメ小説コンテスト用 第6話 指導される俺
「
香良洲が俺を――って、そうそう、
「なんだ?ってか。バタバタで悪いな。普段こんなことは無いんだが――店員が増えたからか?」
「いや、私は話していただけですから――ってかこのお店って……年齢層高いですね」
「まあ、自然というか。何というか。まあ多いな」
「にしても。変わったお客さんばかりですね。お店自体も変わってますが。って本当にお代取ってないんですね」
「だから言っただろ?ってかな。変わった店とは俺も思ってるよ」
「—―?ここって真菅さんのお店ですよね?」
「親がはじめただな。俺は――単なる落ちこぼれさ。って親も消えたから。今は俺の店か」
「—―消えた?」
香良洲が不思議そうに首を傾げた。
「—―香良洲。お客さんと話していて気が付いた事あるんじゃないか?」
俺が聞いてみると香良洲はちょっと表情を曇らせて――。
「—―ここって、普通の人は来ないと言いますか。話していて思ったんですが。みんな口を揃えたかのように最期と、終わりの方の意味で言っているように聞こえましたし。はじめ、おじいちゃんおばあちゃんならそこそこ年齢が――とかでそんな話をしているんだと思いましたが……途中で来た中年?の方もでしたから……」
「まあ、次は異世界で活躍したいとか。もうなんか次の事言っていたな」
「ここって――死んじゃった人が最期に立ち寄っている。ちょっと彷徨って来ちゃった?みたいな事なんですか?真菅さんも見送る際に――「もう来るなよ」って毎回言っていたので、それにお店の名前もはじめなんでこんな名前なのかな?と思っていたんですが。今は、あー、あの世に行く前の心残りというか。ちょっと彷徨っている人がふらりと来て、食べて帰って行く――というより。次の旅に出るというか……」
「おー、まあ答えは俺も知らないんだがな。でも俺が数週間くらいで気が付いたことを1日で気が付くとか――すごいな」
「ってか――その流れだと。やつぱり私って――死んでます?」
香良洲は普通に行った。そして俺は――まあそうだろうと思っていたというか。ここに来る時点でなので――特に考えることなく。
「何ともだな。俺自身もわからないし」
そんなことを香良洲に言った。
「ってか。そうなるとここに居る真菅さんは――?」
「もしかしたら……香良洲にここでバトンタッチしたら死ぬのかもしれないな。昔話をすると俺数回。事故にあっているからな。もしかしたらそのどこかで死んでいたのかもしれない――まあそれをいうと親もだが――詳しくはわからん」
「えっと――真菅さん的には――今後どうするんですか?ずっとここで?」
「いや、特に何もだな。ここに居れば困ることはないし。いや、香良洲という従業員が出来たことは困ったな。だが。ここ給料出ないし。雇うとか――なかったからな」
「まあ――それはいいんですが。私何も持ってないみたいですから。今更お金とか要らない感じですし」
「まあそうか。ってか。香良洲もここから出たらやり直せると思うぞ?もうここで食ってるし。多分ここで料理を食べて外に出たら――なんだよ。俺が見てきた流れで言うとな。」
「そうなんですか?」
「ああ、それにあまりここに留まるのも。だと思うぞ?おかしなことになるとだからな」
「お店出た方がいいんですかね?」
「まあ――俺の勝手な考えだが――留まるべきではない気がするな」
香良洲と話しているとまた――
カランカラン……。
ドアの開く音が聞こえてきた、今日は多いな。と俺が思っていると。
「いらっしゃいませ――あっ」
あれ?俺より香良洲がこのお店した方がいいというか。何か既に身に着いたというか。本人も言っちゃった。って感じだが――まあいいか。と俺が思っていると。
「すみません。何か自然と」
香良洲が慌ててそんなことを言ってきたが。
「気にするな。っか注文聞いてこい」
俺は香良洲にそう言いながらゆっくり厨房へと戻った。
ちなみに、この後の事を言うと。
香良洲にカットされた。カットだ。ダイジェスト版というか――まあざっくり言うと。
やって来たのは50代くらいの男性。そして注文内容は――「異世界スタミナ丼」と、今日の男性は、異世界料理を好む人が多かった。
多分ここで普通の料理ならカットにはされなかったのだが――今お客の希望した料理の材料がこのあと現れることになったので――カットされたである。
ちょっとだけ触れると。謎な肉。虫。あれだ昆虫食?だな。まあとかとか苦手な人は――という食材でね。
とりあえず香良洲が終始死にそうな表情をしていたが――俺は何とか料理を作った「異世界スタミナ丼」は――まあ米っぽいものの上に焼いた肉にスタミナが付きそうな昆虫食というか。まああったものをいろいろ乗せまして。最後にチーズを――という感じ。味は――と思いつつ男性を見ていたら――。
「—―美味いな」
「……マジですか」
お客さんからの評価は良し。だった。それからお客さんは普通に完食。
「凄いな。美味しいのか」
こういう料理もありなんだな。と俺が思いつつつぶやくと――。
「いやいやマスター。試食しました?」
香良洲が聞いてきたので俺は正直に――。
「いや、雰囲気で作った」
「してくださいよ!得体のしれないものお客さんに出さないでください!」
「あー、はい」
……従業員に怒られた俺だった。でもお客さんは美味しかったらしく喜んでいたからまあいいだろうである。男性は完食後――他の人と同じようにお店を出ていき。
気配が消えたのだった。
「—―もう来るなよ」
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