グルメ小説コンテスト用 第5話 従業員増える

はじめての事に戸惑っている俺だったのだが――このお店やはり勝手に何か起こる。


現在俺の横では、香良洲からすという女性。

あれだ。お金がなくて代金が払えないから。と、初めてのパターンを俺に経験させてきたお客だ。

その女性がエプロンを付けているところである。何故か知らないが。突然エプロン増えるである。ホントなんでもありだな――と、俺が思っていると。香良洲がエプロンをしてこちらを見た。


「準備出来ました。何したらいいですか?」

「いやー、まさかの予想外でな何をしたらと言われても――」


いや、従業員増えるとか。全く予想してなかったし。

これは――どうするべきか。下手にいろいろ隠すと――あとあとややこしくなる可能性もあるので……。

ここに来る人は、1回きりが普通だったからな。なんて言ったらいいのか……今回は残った。だからな。これは――もしかすると説明はダメなのかもしれないが。逆に説明したことで自分の行先をこの女性も思い出してくれるかもしれない。と、俺は考え準備が出来たと言っている女性にこの場所の事の説明をしようとした時だった。


カランカラン……。


今日はお客さんが多いだった。

俺と香良洲が音の方を見ると――上品な見た目のおばあちゃんが立っていた。身なりがすごくしっかりしているというか。ホントちゃんとしている。だった。

上品なおばあちゃんは入って来るなり。


「フルーツをお願いできるかしら?」


そう言いながら席に座ったので、俺は香良洲への説明は後回しにして――。


「いらっしゃいませ。どのフルーツにしましょうか」


まずはいつものようにすることにした。


「そうだね。バナナかね。あと、みかんもよく食べたね。りんごも。それをいつも朝ごはんにヨーグルトに入れてね食べていたから。そういうのがいいかしらね」


ヨーグルトとフルーツか。御飯というよりはスイーツに近い?でも、このおばあちゃんは朝ごはんに食べていたと言っているから――料理。

ってそもそもここなんでも出すんだった。香良洲というイレギュラーが居たから余計なことを考えてしまった。と俺が思っていると。


「ここってフルーツとかもあるの?」


上品なおばあちゃんから注文を聞いた後。香良洲がこそっと俺に聞いてきた。


「届くんだよ」

「届く?」

「勝手にな。食材が来るんだよ」

「—―えっ?」


さすがに香良洲が驚いた表情をしていた。


「ちなみに香良洲の時はその前からあったからか、何も届いてないがな」

「えっと?どういう――」

「まあとりあえず今は接客だ。水と手拭き。そこにあるから出してくれ。いろいろすぐにわかるさ」


俺がそいう言うと、香良洲は経験が無いと言いつつも無難に接客。上品なおばあちゃんの話し合い相手をしていた。


料理を作りつつ2人の会話を聞いていると。上品なおばあちゃんは昔は高級品だったフルーツをに食べたくなったとか。そんな話が聞こえてきていた。ちょっと香良洲が途中で戸惑った感じになっていたが……まあそれは後で説明すればいいだろうということで俺は料理を作った。


「お待たせしました。フルーツヨーグルトサラダとなります」


――えっ?何でサラダになったかった?いや、冷蔵庫開けたら、ヨーグルトとともに野菜。レタス類が何故か入っていてね。こうなったである。基本現れた物は使え的な感じなんでね。などと俺が思っていると。


「あら、懐かしいわね。そうそう昔のお手伝いさんが野菜も食べてください。って言ってこんな料理作ってくれたわね。あっそうだわ。パンもあるかしら?」

「少々お待ちください」


追加のパターンもレアだな。と俺が思いつつ。棚などを確認すると――パンあったよである。やわらかそうな白パンがあった。


ということで、上品なおばあちゃんへの料理は「フルーツヨーグルトサラダ。パン付き」となった。上品なおばあちゃん曰く「安心できる朝ごはん」らしい。

その後は昔話をしながらゆっくりと食べていた。


「美味しかったわ。ありがとうね。わがまま言って」

「いえいえ大丈夫ですよ」


俺が言うと上品なおばあちゃんは出口の方へと歩いて行く。


カランカラン……。


「あれ?おばあちゃんお支払い――」


上品なおばあちゃんがお店を出て行く際に、香良洲が何か言いたそうな表情をしていたが――まあ後で説明してやるよ。と俺が思いつつ上品なおばあちゃんを見送っているっと――その後大変だった。


上品なおばあちゃんのあとも数人の高齢のおじいちゃんおばあちゃんや男性などが来てね。


カランカラン……。

カランカラン……。

カランカラン……。

カランカラン……。

カランカラン……。


なんだ今日は?何が起こった!?だったな。過去最多の来客だった。


立て続けにお客さんがやって来た。さすがに香良洲が何かを聞きたかったみたいだが。そんな暇はなかった。ってか。香良洲が居てくれてよかった。とも思う時間だった。


注文を聞いて、俺が作っている間に香良洲が話し相手。そんな感じで時間は流れた。

いや、なんかさ。日の丸弁当食べたいやら。異世界っぽいスタミナ鍋が食べたいやら。黒いおでんが食べてみたいやら。いろいろ手間のかかる注文が多くてね。香良洲が居てくれてよかっただった。俺は料理に集中出来たからな。


突然のバタバタから少し。やっと一段落した時のこと。

香良洲が俺の横へとやって来たのだった。

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