グルメ小説コンテスト用 第2話 そして居なくなった

俺がいろいろとあり――ホントいろいろとあって、実家の店へと戻って来て。

親から料理などの指導を受けしばらくしたころ両親が「そろそろ試験だな。もう大丈夫だろう」みたいな事を言いだして――このお店へお客として来るとか言いだしたのだった。。


その日、両親は本当にちゃんとしたお客とでも言うのか。そのまま席に座るではなく。一度ここを出て行って――数時間後に来店という形をとっていた。

個人的には、そこまでするのか。だったが……まあなんか楽しそうに両親が練った作戦というか……行動みたいだったので俺は何も言わなかった。


カランカラン……。


しばらくして両親がお店に戻ってきた。


でもまあ俺は両親に教わった通り行うだけだ。難しい事ではない。

ちなみにだが、この店ふざけているというか。メニューはない。お客さんが言ったものを作るである。


――えっ?それだと食材困るんじゃないか?とか思うかもしれないが――なんか不思議なことがあってね。この家にはいつの間にか。食材などが勝手に届いているというね。謎過ぎるよ。

その理由に関しては企業秘密なのか両親からはまだ聞いていない。

もしかしたら事前予約制というか。どこかで事前に確認でもしているのだろうか。とでも思っていたが――まあ今のところは本当にわからない。

っか。親も何を注文するんだよ。と思っていたら――。


親が来る直前。何かどう見ても野菜炒めというか。

そんな材料がいつの間にか届いていた。

もうわからんが――今はいいか。だった。


ちなみにだが。

両親は「お前の男飯」が食いたい。とか意味の分からない注文をその後してきたが――まあその時にあった材料から――あれだ。野菜をザクザク切る。そしてフライパンで炒める。味付けは――焼き肉のたれ。うん。これ最強。かければOK。最近は種類がいろいろあるからな。数種類ストックしておけばいろいろな味のものが作れる。本当は肉も――と思ったが。肉は無くてね。代わりに野菜をいためている横で目玉焼きを2つ作っていた。たまごは何かたくさんあったんでね。

後はどんぶりにご飯。少し焼き肉のたれをご飯にもかけた後。野菜炒めを乗せて、さらに目玉焼き2つを乗せる。最後にちょっとピリッとさせるために、七味唐辛子はお好みで、ということで隣に置いて……いや、今回のタレはちょっと甘めみたいだったんでね。

あとは、簡単に作ったわかめだけが入っている中華風スープを隣に置いて出来上がりだ。これ――普通に家の食事というか。俺が親に作っただけという感じだな。お店の料理という感じはないが――でもまあ注文通りの料理ではあったと思う。


それから両親は黙々と食べて――。


「……美味いじゃないか。うんうん。ああ、ありがとう。これでいけるな」


しばらく黙々と2人が食べているからなんか気まずいというか。普段両親はうるさい方だからな。真面目に試験なのか。とか思っていたが。

食べ終えたら、2人して似たような感想を言ったのだった。まあとりあえず美味かったらしい。


そして多分あれだな。この時に知った。というか。両親がつぶやいた言葉から、両親が戻ってきた俺に必死に指導したのは、今までは2人でお店の代わりがいなかったから、遠出。店を長く空けることができなかったので、俺という代わりができて、これで旅行やらやらも――みたいなことを言っていたのだろう。と、その時は思っていた。

現に両親は俺が作った料理を綺麗に完食したあとすぐに、再度「—―美味しかった。ありがとう」とわざわざ言い。お店から出て行くところまでちゃんとするらしく親はそう言いながらお店を出て行った。


ちなみに金は払ってなかったがな。うん。ってかそういえば――この店レジどこだ?ほんとまだまだ何も教えてもらってないじゃん。という俺だったな。


……なのに、何かさっきの雰囲気からしてお店丸投げして2人は遊びに行くんじゃないだろうな。と俺は思いつつ「—―もう来るなよ。こんな面倒な客いらないよ」と心の中で呆れていたのだった。


その後俺は片付けをしていたのだが――お店を出て行った両親がこの場所へと戻って来ることは2度となかった。

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