第2話 魔女の彼女と高校生の彼氏

魔女のアリアと男子高校生の黒崎未悠が出会った翌日。

私は、会社で仕事をしていた。

昨日は、本気で死ぬつもりだったため、半年分近くの仕事は済ませていた。

引き継ぎのマニュアルも秘書に渡しておいたし、はっきり言って私がする仕事は今は無い。

というか正直、仕事どころではない。

何故なら・・・153歳下の初めての彼氏が出来たからだ。

「連絡先交換しちゃった・・・。こんなおばさんでも付き合える相手がいるなんて・・・」

いい年して浮かれているとは自覚している。

今までに男女問わず、色々な人と話してきたが、彼は・・・黒崎未悠君は他のみんなと何か違った。

外面や肩書に囚われず、私を1人の女性として見てくれた。

それに・・・。

「愛してるか・・・」

彼の愛してるは、心の奥底まで響いた。

「ふふっ」

彼の連絡先を眺めるだけで、自然と笑みがこぼれる。

不思議な感覚だった。





コンコン・・・。

誰かが、ノックをしている。

今は、社長室にいるため、ここに訪ねる人は限られている。

「はい」

返事をすると、扉が開かれ一人の女性が入って来た。

「失礼します」

「あら秘書じゃない。どうかしたのかしら?」

ちなみに、秘書は数人雇っており、各部門ごとに分けている。

今、訪ねて来ている秘書は、私の仕事のメインを担当している。

「今日の報告です」

「そう、そこに置いておいて。あとで見るわ」

私のメインの仕事とは、魔女の仕事だ。

魔女の仕事とは、街中に溢れている怪異の研究だ。

怪異というのは、どこにでもあるしどこにもない。

そんな存在である。

信仰を始めた時点で、それは立派な怪異である。

信仰するだけなら良いが、その数が増えるとかなり厄介だったりする。

この秘書は、怪異の事と私が魔女であることは知っているが、ただの人間だ。

彼女は、過去に怪異に被害を受けていたところを私が助けたという流れから秘書として雇ったのだ。

「社長」

「なにかしら?」

「いえ。ただ安心しました」

「ん?」

「ここ数日、顔色が優れていなかったように見えたので。それに、昨日は突然仕事の引継ぎの説明もしていたので」

大変申し訳無い事をしてしまった。

あんなのただの私のわがままなのに。

「ごめんなさいね。もう大丈夫だから」

「そうですか。それでは失礼いたします」

「ええ」

彼女は、秘書としてとても優秀だ。

全力で私のサポートをしてくれて本当に助かっている。

「顔色が優れていなかったか・・・。顔に出てたんだなぁ・・・」

部下に良からぬ心配をさせるなんて、不甲斐ない。




ピコン

通知だ。

誰からだろうとスマホを見る。

するとそこには・・・。


通知 一件

黒崎未悠


彼からだった。

「はわわわ!!未悠君から連絡が来た!!」

まさか彼から連絡来るなんて思わなかった。

彼は、大人しい感じの子だから私がリードしなきゃいけないのに。

そんな事を思いながら、彼からのメッセージを開く。


『こんにちは。未悠です。まだお仕事中でしたか?』


丁寧な文章で彼らしいと思った。

「何て返したら良いのかな・・・。そうだなぁ。とりあえず『大丈夫だよ』っと」

すぐに返信をすると、彼の既読も早くまたすぐに連絡が来た。


ピコン

『そうでしたか。それは良かった。まずお仕事お疲れ様です。急ですけど次のアリアさんの休みの日にどこか行きませんか?』


後半のメッセージは、恐らく・・・。

「デートのお誘いよね!?次の私の休み!?いつだったかな!!」

慌てて、スケジュール票を開く。

休日は、いつかなと探す。

すると・・・。

「明日だ!!でも平日か・・・。」

彼は、高校生だから平日は、学校だろうなと少しがっかりした。


ピコン

また通知。

未悠君からもう一件メッセージが来た。


『上手く休みを合わせますよ』


彼なりの優しさがこもった文章だなと思った。

だけど休みを合わせるとは言っても、限界があるだろうなぁ。

「駄目もとで言ってみようかな。えっと・・・。『明日が休みだよ』っと」

多分というか確実に無理だろうなと思いながらも送信してしまった。


ピコン

『良いですよ。明日だったら創立記念日で休みですから』


「そっか。休みなんだ・・・。」

創立記念日か。

彼は高校生だもんね。

分かってたけど、やっぱこの年の差ってどうなのかなぁ。

ん?

「私、捕まらないよね・・・?」

不安になってしまうが、何もやましい事はしていない・・・。

そう考えるも昨日の別れ際の事を思い出した。

あれは、おでこだ。

額にキスはまだ健全だと思う。

うん、そうしよう。

「でもデートか・・・。嬉しいな」








翌日、私と未悠君は、喫茶店で待ち合わせをしていた。

「お待たせ!未悠君!!」

「大丈夫ですよ。アリアさん」

彼が先に喫茶店に着いていた。

彼は、Tシャツにジャケットを羽織り、ジーンズを履いていた。

シンプルな格好でもどこか大人びていてかっこよく見えた。

「未悠君。敬語じゃなくていいのよ。むしろ、もっと気楽に話して欲しいな」

せっかくの彼氏彼女の関係なんだから、もっと気楽にして欲しいと思う。

「やっぱり慣れてなくて」

彼は恥ずかしそうに言った。

「ふふふっ。可愛いわね」

「ありがとうございます??」

クールそうに見えて、実は可愛いところもあるのが彼の魅力だと思う。

「ふふっ。それで今日はどうするの?」

「うーん。実は、具体的にはあまり決めてなくて・・・。ただもっとアリアさんを知りたいなって思って誘ったんだけど・・・。迷惑だったかな?」

彼は、不安そうに聞いてきた。

「そんな事無いわよ。私も未悠君をもっと知りたいの。だから今日は、ゆっくりお互いの事を話しましょう。」

「ありがとう」

また不意打ちの笑顔だ。

彼の笑顔に癒されてしまう。

「じゃ、じゃあ私から聞いてもいい?」

「はい。どうぞ」

そうだなぁ・・・。

何から聞こうかな。

まずは、身近なところから聞こう。

「じゃあ休みの日は何してるの?」

「休みの日かぁ。基本的には家で過ごしているかな。家で映画見たり、ゲームしたり本を読んだりみたいな感じで過ごしているよ」

そっかー。

未悠君は、インドア派かな。

「ゲームはどんなものをするの?」

「RPGものが多いかな。ちゃんとシナリオがあってストーリーがしっかりしているのが好きだから。」

私自身、趣味が無いため、彼が好きだというものに触れてみたいな。

「私もやってみようかな」

「良いかもですね。好きな人と同じゲームできるって」

彼は嬉しそうに言った。

私の事を好きで居てくれていることが嬉しくてたまらなかった。

でもちょっと不安でもある。

「ねぇ。私、おばさんだよ?本当に良いの?」

私と彼は付き合ってるけど、これは彼の為になるのだろうか。

「前にも言ったけど年齢はそうかもですけど、見た目は俺と変わらないくらいだからね構わないよ」

「あくまで見た目なのね」

でも、その方が良いのかもしれない。

こうして正直に言ってくれる方が安心する。

多分、彼は嘘が嫌いなのだろう。

誰かに対して吐く嘘は、自分も苦しめる。

それが嫌なのだろう。

私もそうだ。

「あからさまに年上感ある見た目だったら一目惚れしないですよ。俺は、あの時雨に打たれているアリアさんが綺麗に思えた。だけど、どこか悲しそうで辛そうで・・・。だから俺は、アリアさんをもっと見たいし声も聴いてみたい。それで声をかけたんです。その後、話してみてアリアさんの心の綺麗さというか神秘さに心を打たれた。それで好きになったんです」

彼は、私を好きになった経緯を話してくれた。

ここまではっきり言ってくれるとむしろかっこいい。

自分の心を言葉にできるなんて凄い事だと思う。

「ふふっ。嬉しい事を言ってくれるわね」

彼は、私の心を綺麗だと言ったが、私からしたら未悠君の心も綺麗だと思う。

「あっ。あと私の事は、呼び捨てで呼んで欲しいな」

彼に私の全てを捧げたい。

そう思った。

「ア、アリア」

照れくさそうに呼んでくれた。

「うん。未悠」

「アリア」

「未悠」

「好きだよ。アリア」

「・・・なんかときめいちゃった」

彼に名前を呼ばれるだけで心臓の鼓動が早くなっていく気がする。






「じゃあ今度は、俺から聞いても良い?」

質問者の交代だ。

「うん。良いよ。なんでも聞いて」

多分、魔女の事とか聞かれるのだろうな。

「アリアは休みの日は何しているの?」

・・・あれ?

「そんな事で良いの?魔女の事とかは・・・?」

やっぱ信じてないのかな・・・。

「うーん。まあそれも気になるけど、魔女だから付き合ってるわけじゃないからね。俺は、アリア自身の事を知りたい。アリアを知る上で魔女の事も聞きはするけど、それで好き嫌いが現れる事は無いよ」

そっか。

彼は、本当に私の事を見ているんだ。

私を1人の人間として、見てくれているんだ。

「ふふっ。変わってるね。そうだなぁ。休みの日か~。私の休みなんて大したことないわよ。未悠の方が充実してる。私なんて家でぼーっとしてたら休みが終わっているの」

私の休日なんて、どうしようもなくつまらない。

一人で家で過ごして終わり。

特に何かをすることもなく。

「そっか。でも俺とあんまり変わらないよ。ゲームとかして過ごすけど、疲れが取れるかと言ったら別だしね」

彼は、冗談交じりに応えてくれた。

「アリアの家ってどんな感じなの?」

私の家か・・・。

「スペースを持て余したマンションの一室って言ったところかな」

実際にその通りだ。

特にものが多いわけでもなく。

必要最低限のものしか置いていない。

「やっぱ社長クラスになると良いマンションに住んでるものなの?」

「まあ否定はしないわ。マンションに失礼だからね」

別に、私は部屋とかにこだわりは無いのだが、私の会社が管理しているマンションのためついでに住んでいるといったところだ。

「かっこいい」

「そう?」

「うん。アリアの凄さを実感した」

「ふふっ。ありがとう」

褒められ慣れてないため、ちょっと照れる。

「アリアって忙しそうだけど、気が休まるのはいつなの?」

「気が休まる時ね・・・。まあ一人で居る時かな。あっ!でも未悠との過ごす時間は心地いいよ」

「ははっ。大丈夫だよ。俺もその気持ち分かるから」

彼も一人が好きなのだろうか・・・。

「未悠は人と居るのが苦手なの?」

「苦手というか疲れるというか」

私も同じだ。

会社のトップに立つ人間としてはどうかとは思うが、多くの人と過ごすのは大変ストレスにもなるし疲れる。

私と彼では生活している環境は違うが、根本的な所は同じなのかもしれない。

「そうなのね。でも大人になったらそうも言ってられないのよ」

「そこは流石に割り切りますよ」

「何か大人ね」

私なんかよりもしっかりしている気がする。

「いつまでも子どものままでいたいけどね」

「ふふっ。変わってるわね。大人になりたいとかは思わないの?」

「特には思わないかな。多分だけど、今が一番輝いてる気がする」

そういった彼の顔は、とても眩しく見えた。

多分、彼は本気でそう思っているのだろう。

過去に囚われることもなく、未来の事なんて気にせず。

ただただ今を思うがまま生きている。

そんな感じがした。

「私が言うのもアレだけど、未悠って不思議よね」

「よく言われるよ」

「ふふっ」

「ははっ」

思わず笑みがこぼれた。

こんなにも居心地が良いのは今まで生きて来て初めてだ。

私は幸福感に包まれた。

「ねぇ。魔女の事聞いても良いかな?」

「ええ。構わないわよ」

「ありがとう。じゃあ・・・魔女ってどんな感じなの?」

「魔法が使えるお姉さんよ」

「例えばどんな魔法が使えるの?」

どんな魔法か・・・。

一通り使えるけど、こんなところで見せるのもなぁ。

「うーん。見せた方が早いから見せたいんだけど店の中じゃあね・・・」

「そっか。じゃあ二人の時なら良いの?」

「ええ。もちろん」

「それじゃあいつか見せて欲しいな。やっぱり気になるし」

「うんいいよ。未悠には、私の全てを知ってほしいから」

彼には、私の素を見せたい。

「うん。俺はアリアの全てを知りたい。今の状態でも可愛い所を見れてるけど、もっと可愛い所を見たいな」

「ふぇ!?」

か、可愛い・・・!?

「可愛いよアリア」

「い、言うなぁ・・・」

可愛いなんて・・・。

「もしかしてあんまり言われ慣れてない?」

「う、うん。みんなどこか一線を引いてるように感じるから」

「友達とかは?」

「一人も居ないわ・・・みんな死んじゃうから・・・」

魔女の友達は、昔、魔女狩りでみんな死んでしまった。

会社では、みんな部下だから、あんまり友達というのはできない。

「まあそうだよなぁ。寿命も違うだろうからねぇ」

「そうなのよ・・・」

それに人間は、私と比べると寿命が違うから、友達を作れば作るほど辛い。

「俺はただの人間だから、アリアと永遠に一緒にいられるわけでは無いけど・・・俺が死ぬ時まで一緒にいて欲しいな」

未悠が死ぬ時まで一緒・・・。

彼は、私の顔を真っすぐ見て言ってくれた。

「それは・・・プロポーズかしら?」

「それは俺が結婚できるようになってからで」

「じゃあ待ってるわね」

「はい」

もはや婚約者となった。

彼は、今17歳なので結婚できるのは来年からだ。

私からしたら1年なんてあっという間だ。




それから私たちは、彼の学校の事や私の仕事の事などを話し合った。

プライベートな事もたくさん聞いた。

好きな食べ物とか好きなタイプとか。

彼は、どうやらクール系女子が好きならしい。

私は、クール系ではないだろうなぁ。

「じゃあこれから何をしようかしらね」

「もし良かったらだけど、アリアの家に行ってみたいな」

「え?」

私の家・・・?

「あ、やっぱ駄目だよね」

「別に良いけど何もないわよ」

「アリアの家ってどんな感じかなって思って」

もうお家デート!?

最近の子は積極的なのかな。

「じゃあ今から行く?」

「良いなら」

「良いわよ」

彼を連れ、私の家に向かう事にした。




私は、彼を車の助手席に乗せた。

彼は、基本的にバスや電車を使って通学しているらしく、バイクも持っていないそうだ。

まあ最近の学校は、バイクの免許は取っちゃダメという所もあるらしい。

「流石、社長ですね」

「こら、私の事は一人の女性で見て欲しいな」

「ははっ。ごめんなさい。アリア」

「うん」

私の車は、黒色のセダンでそこそこ気に入っている。

まあそこそこの金額もしたが、悔いはない。

「未悠は、車とか興味あるの?」

「うーん。少しはあるかな」

「そうなのね。どんな車が好きとかあるの?」

「アリアの車みたいにかっこいいのも好きですけど、可愛い車も好きですよ」

「そうなのね。いつか未悠が免許取って車買ったら、その可愛い車でデートしてほしいな」

「良いよ」




車を駐車場に止め、マンションの前に着いた。

「ここが私の住むマンションよ」

「ほぇ~。タワーマンション・・・だよね?」

「そうね」

「凄いなぁ」

彼はマンションを見上げて、つぶやいた。

「ふふっ。学生からしたらそうかもね」

「学生じゃなくても凄いとは思うけど・・・」

「まあそうかも」

マンションに入り、エレベーターに乗った。

「というかアリアの部屋って最上階なんだ」

そう、エレベーターは最上階に向かっている。

「私は気にしないけど、周りがうるさくて」

「周りって?」

「秘書とかが言ってくるのよ。社長ですからって」

全く・・・。寝て起きるだけなのに・・・。

「なるほど」

そういえば、未悠の家族ってどんな人達なんだろう。

「未悠のご家族はどんな人たちなの?」

家族の事はまだ聞いてなかった。

「・・・まあ何とも言えない感じですね。あまり仲の良い家族では無いかもですね。ただ母さんだけは、俺を見捨てずに育ててくれてます」

「そうなんだ・・・」

その時の彼の顔は、どこか寂しそうな表情をしていた。

「だから遅くまで家に帰らなかったり、バイトで時間潰してるんだ」

「バイトは何してるの?」

「コンビニの店員です」

「なんか意外ね」

「よく言われるよ」

彼なりに頑張っているんだ・・・。

「お金は何に使ってるの?」

「まあ趣味とかに使ったりとかかな。でもほとんどは、大学に行くかもしれないから学費に回すつもりだよ。だから貯金がほとんどかな」

「そっか。何かなりたい職業とかあるの?」

「何にもないなぁ。中途半端に時間を過ごしすぎたせいで自分が何をすべきか分かんなくなっちゃって」

まあ分からなくも無いなとは思う。

私も長生きしてるけど、何をすべきかとか何をしたいのかとか分からない時はあった。

「じゃあ私の所で働く?」

「俺なんかでも大丈夫何ですか?」

「ええ。未悠は真面目そうで物覚えも良さそうだから」

「そうですかね~」

「ええ。私が保障するわ」

彼を私の所で引き取りたいな。

彼には幸せになってほしい。





エレベーターが最上階に到着した。

「じゃあ行くわよ」

「はい」

部屋の扉を開け、未悠を招き入れた。

「いらっしゃい。ここが私の家よ」

「わぁぁ・・・」

私の家は、いわゆるペントハウスとなっていて、かなり広い。

しかし、私一人で住んでいるため非常に持て余していた。

「じゃあそこのソファに座ってて良いわよ。今、お茶淹れるから」

「は、はい」

「ふふっ。緊張しなくていいのよ。ここは、私しか使う事のない家なんだから、未悠にはリラックスして欲しいな」

「ど、努力します」

緊張のあまり、敬語に戻ってしまっていた。

「ふふふ~ん」

私は、お湯を沸かし、お茶の準備をした。

「あっ、そういえば」

「どうかしたの?」

「未悠に見せないといけないものがあったわね」

「ん?」

せっかくの二人だけの空間。

私の秘密を披露しようじゃないか。

「未悠」

「はい」

「私の指を見ててね」

「分かりました」

「じゃあいくよ」

指先に魔力を込めた。

ボッ・・・

「うお!!」

「これが魔法よ。魔女の力の一部だけど、いかがかしら?」

「凄いです!!カッコいい!!」

「ふふっ。やっぱりあなたは怖がらないのね」

「怖がる?こんな事では怖がりませんよ。何て言ったって俺はアリアの彼氏なんですから」

この子ったらまた、私をときめかして・・・。

「ねぇ未悠」

「なあに?アリア」

私は、未悠に近づいた。

「好きだよ」

「俺も好きだよ」

ちゅっ・・・。

今度は、口づけだ。

優しくて甘い。

そんなキスを私たちはした。

「未悠は、キスは初めて?」

「はい。今までに彼女居た事無いので」

「ふふっ。そっか」

「アリアは?」

「私も初めてだよ。彼氏は未悠が初めて」

「そっか」

お互い、初めてのキスをした。

好きな人とするキスがこんなに満たされるものだったなんて。

「み、未悠」

「んー?」

「もう一回良い?」

「何度でも」

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